インドネシア語の表現力アップ!接頭辞「ter-」の動詞の使い方を初心者向けに徹底解説【例文・クイズ付き】

インドネシア語の表現力アップ!接頭辞「ter-」の動詞の使い方を初心者向けに徹底解説【例文・クイズ付き】

インドネシア語の単語を見ていると、元の単語の前に何かがくっついていることに気づくことがあるかもしれません。それが「接頭辞(せっとうじ)」と呼ばれるものです。

「接頭辞ってなんだか難しそう…」

例えば日本語にも、「新しい」の「真」や「完成」の「未」のように、言葉の頭について意味を付け加えるものがありますよね。インドネシア語の接頭辞も、基本的にはそれと同じような働きをするパーツなんです。

この接頭辞を理解すると、単語の意味を推測しやすくなったり、より豊かな表現ができるようになったり、インドネシア語文法理解がぐっと深まります。

インドネシア語にはいくつかの接頭辞がありますが、今回はその中でも特に重要で、日常会話でもよく耳にする「ter-」という接頭辞に注目してみましょう!「ter-」は、単語(特に動詞や形容詞)にくっつくことで、いくつかの異なる意味やニュアンスを加える便利な接頭辞です。

ただし、「ter-」にはいくつかの使い方があって、一度にすべてを学ぶのは大変かもしれません。そこで、この記事では、初心者の方がまず押さえておきたい「ter-」の動詞に関する使い方に入門レベルから焦点を当てて、分かりやすく解説していきます。

この記事を読めば、

  • 「ter-」が動詞につくとどんな意味になるの?
  • どうやって使えばいいの?
  • よく使われる「ter- + 動詞」の単語は?

といった疑問がスッキリ解消するはずです。

難しく考えず、リラックスして読み進めてくださいね。一緒に「ter-」の世界を探検して、あなたのインドネシア語表現をもっと豊かにしていきましょう!

目次

動詞が変身!接頭辞「ter-」が持つ3つの主な働き

インドネシア語の単語を見ていると、「ter-」というパーツが単語の頭についていることがありますよね。これは「接頭辞(せっとうじ)」と呼ばれるもので、単語に特定の意味をプラスする働きがあります。

特に、動詞にこの「ter-」がつくと、意味がガラッと変わることがあるんです!まるで魔法みたいで面白いんですよ♪

ここでは、動詞につく接頭辞「ter-」が持つ、代表的な3つの意味働きを、初心者の方にも分かりやすく解説していきますね。

(ちなみに、「ter-」には形容詞について「一番~」という最上級の意味を表す使い方(例:terbaik = 一番良い)もありますが、今回は動詞にくっつく場合に絞ってお話しします。形容詞の使い方は、また別の機会に詳しくご紹介しますね!)

1. 意図しない動作・状態:「~してしまう」「ふと~する」

まず一つ目は、意図しない」動きや状態を表す働きです。「わざとじゃないんだけど、そうなっちゃった!」というニュアンスですね。日本語の「~してしまう」や「ふと~する」という感覚に近いです。

いくつか例を見てみましょう。

  • tertidur (トゥルティドゥル)
    • 語幹: tidur (ティドゥル / 寝る)
    • 意味: 寝てしまう
    • 補足: 勉強や仕事の途中など、寝るつもりはなかったのに、うっかり寝ちゃった…という時に使えます。「Saya tertidur di kelas. (私は授業中に寝てしまった)」みたいな感じです。
  • terjatuh (トゥルジャトゥ)
    • 語幹: jatuh (ジャトゥ / 落ちる、転ぶ)
    • 意味: 転んでしまう
    • 補足: 道でうっかり足を滑らせて転んじゃった、というような予期せぬアクシデントに使います。「Hati-hati, jangan sampai terjatuh. (気をつけて、転ばないようにね)」のように注意を促す時にも使われますね。
  • teringat (トゥリンガッ)
    • 語幹: ingat (インガッ / 覚えている、思い出す)
    • 意味: ふと思い出す
    • 補足: 忘れていたことを突然思い出した!という時にぴったりです。「Saya teringat janji dengan teman. (私は友達との約束をふと思い出した)」といった感じです。

このように、「ter-」がつくことで、自分の意思とは関係なく、思わずそうなってしまったという意図しない状況を表すことができるんですね。

2. 受動態:「~されている」

二つ目は、受動態」の働きです。「~される」「~されている」という意味を表します。

「あれ?インドネシア語の受動態って『di-』じゃなかったっけ?」

素晴らしいです!その通り、「di-」も受動態を作る接頭辞です。

ter-」が作る受動態は、「di-」の受動態と少しニュアンスが異なります。「ter-」の受動態は、

  • 誰がその動作をしたか(行為者)があまり重要でなかったり、はっきりしなかったりする場合
  • 動作が行われた結果として「~されている」という状態を表す場合

によく使われるんです。より状態に焦点が当たっているイメージですね。

例を見てみましょう。

  • terbuka (トゥルブカ)
    • 語幹: buka (ブカ / 開ける)
    • 意味: 開けられている、開いている
    • 補足: ドアや窓が「開いている」状態を表します。誰が開けたかよりも、「開いている」という結果・状態がポイントです。「Pintu itu terbuka. (そのドアは開いている)」のように使います。
  • tertulis (トゥルトゥリス)
    • 語幹: tulis (トゥリス / 書く)
    • 意味: 書かれている
    • 補足: 「手紙に住所が書かれている」のように、書かれた結果、その状態にあることを示します。「Namanya tertulis di buku. (彼の名前が本に書かれている)」といった感じです。
  • terletak (トゥルルタック)
    • 語幹: letak (ルタック / 位置) ※名詞が語幹になることもあります
    • 意味: 置かれている、位置している
    • 補足: モノがある場所に存在している状態を表します。「Indonesia terletak di Asia Tenggara. (インドネシアは東南アジアに位置している)」のように、地理的な説明でもよく使われます。

「di-」受動態との細かい違いは少しややこしいかもしれませんが、「ter-」はより「状態」に注目している受動態なんだな、とまずは覚えておくと良いでしょう。

3. 可能:「~できる」

三つ目は、可能」の働きです。「~できる」という意味になります。

ただし、これも「bisa (ビサ) / できる」とは少しニュアンスが違います。「bisa」が能力や許可としての「できる」を表すのに対し、「ter-」の可能は、自然とそうなる、意図しなくてもそうなってしまう、感覚的に可能であるといったニュアンスが強いんです。「~が見える」「~が聞こえる」のように、五感に関する動詞によく使われます。

例を見てみましょう。

  • terlihat (トゥルリハッ)
    • 語幹: lihat (リハッ / 見る)
    • 意味: 見える
    • 補足: 意識して見ようとしなくても、自然と視界に入ってくる感じです。「Gunung Fuji terlihat dari sini. (ここから富士山が見える)」のように使います。見ようとする意志よりも、「見える」という状況がポイントです。
  • terdengar (トゥルドゥンガル)
    • 語幹: dengar (ドゥンガル / 聞く)
    • 意味: 聞こえる
    • 補足: 耳を澄まさなくても、自然と音が耳に入ってくる感じです。「Suara musik terdengar dari kamar sebelah. (隣の部屋から音楽が聞こえる)」のように、意図せず耳に入ってくる音を表します。
  • terbaca (トゥルバチャ)
    • 語幹: baca (バチャ / 読む)
    • 意味: 読める
    • 補足: 文字が小さすぎたり、かすれたりしておらず、「(物理的に)読むことができる状態にある」ことを示します。「Tulisan ini tidak terbaca. (この文字は読めない)」のように、読めるか読めないかの状態を表す時に使います。

このように、「ter-」がつくことで、「頑張ってする」というよりは「自然にできちゃう」「そういう状態にある」という可能のニュアンスが出ます。


接頭辞「ter-」が動詞につくときの3つの主な働き

  1. 意図しない:「~してしまう」「ふと~する」 (tertidurterjatuhteringat など)
  2. 受動態:「~されている」(状態を表すことが多い) (terbukatertulisterletak など)
  3. 可能:「~できる」(自然に、感覚的に) (terlihatterdengarterbaca など)

意味とニュアンス、なんとなく掴めたでしょうか?

これらの「ter-」動詞は日常会話でもよく使われます。
次のセクションでは、もっとたくさんの例文を使って、実際の使い方を詳しく見ていきましょう!お楽しみに♪

まずはこれだけ!よく使う「ter- + 動詞」コロケーションリスト

「ter-」が付く動詞って、たくさんあってどれから覚えたらいいか迷っちゃいますよね。
ここでは、日常会話や文章で本当によく使う頻出の「ter- + 動詞」の組み合わせ(コロケーション熟語のようにセットで覚えておくと便利ですよ!)をピックアップしました。

それぞれの単語がどんな意味で、どんな場面で使われるのか、簡単な例文と一緒に見ていきましょう。
まずはこのリストにあるものから覚えて、少しずつ使える単語を増やしていきましょう!

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ter-動詞意味こんな時に使うよ!例文
tertarik興味がある、惹かれる何かに関心を持ったり、魅力を感じたりした時。「~に興味がある」は tertarik pada/dengan ~ の形が多いです。Saya tertarik pada budaya Indonesia. (私はインドネシアの文化に興味があります。)
terkenal有名な人や場所、物が広く知られている時。形容詞のような使い方をします。Nasi goreng adalah makanan Indonesia yang terkenal. (ナシゴレンは有名なインドネシア料理です。)
termasuk~を含む、含まれるあるものがグループやカテゴリーの一部であると示す時。「送料込み」のような場面でも使います。Harga ini sudah termasuk pajak. (この価格にはすでに税金が含まれています。)
terjadi起こる、発生する予期せぬ出来事や事故、特定の事象が起こった時。Kecelakaan itu terjadi kemarin malam. (その事故は昨夜起こりました。)
terletak位置する、ある建物や場所がどこにあるかを示す時。地図アプリの説明などでも見かけます。Kantor pos terletak di depan stasiun. (郵便局は駅の前にあります。)
tergantung~による、~次第である状況や条件によって結果が変わる時。「〜次第」と言いたい時に便利。tergantung pada ~ の形もよく使います。Besok piknik atau tidak, tergantung cuaca. (明日ピクニックに行くかどうかは、天気次第です。)
terdiri~から成る、構成されるグループや物事が、いくつかの要素で成り立っていることを説明する時。 terdiri dari ~ の形でよく使います。Tim ini terdiri dari lima orang. (このチームは5人から成っています。)
tersenyum微笑むにっこりと自然に笑顔になる時。嬉しい時や、あいさつ代わりの笑顔など。Dia tersenyum kepada saya. (彼女は私に微笑みました。)
tertawa(声を出して)笑う面白いことなどがあって、思わず声を出して笑ってしまう時。Kami tertawa bersama menonton film komedi itu. (私たちはそのコメディ映画を見て一緒に笑いました。)

いかがでしたか?ここに挙げた「ter- + 動詞」のコロケーションは、本当に頻出なので、覚えておくと会話や文章を読むときにとても役立ちますよ。

まずはtertarik (興味がある) や terkenal (有名な) あたりから、身近なことについて話す時に使ってみると良いかもしれませんね。例文を参考に、ぜひ実際の会話で使ってみてください!

例文で使い方をマスター!「ter-動詞」を文中で使ってみよう

前のセクションでは、「ter-」が動詞につくと、主に3つの意味(①うっかり・思わず、②~されている状態、③~できる)を持つことを学びましたね!

「意味は分かったけど、実際にどうやって使うの?」

そう思っているあなたのために、このセクションでは具体的な例文をたくさん紹介していきます。簡単な構文解説や、リアルな会話例、そして使う上でのちょっとした文法注意点も一緒に確認して、今日から「ter-動詞」を使えるようになりましょう!✨

簡単な例文と構文解説:「ter-動詞」の3つの意味をチェック!

まずは、3つの意味それぞれについて、基本的な文の作り方(構文)と例文を見ていきましょう。構文はとってもシンプルなので安心してくださいね♪

1. 「うっかり・思わず~しちゃった!」(意図しない動作)

自分の意思とは関係なく、つい何かをしてしまった時、この「ter-」が活躍します。

  • 例文1:Saya tertidur di kelas. (サヤ トゥルティドゥル ディ クラス)
    • 意味: 私は授業中に寝てしまった。
    • 構文: 主語 (Saya / 私) + ter動詞 (tertidur / 寝てしまう) + 場所 (di kelas / 授業で)
    • 解説: tidur(寝る)に ter- がついて tertidur に。「寝るつもりはなかったのに、うっかり寝ちゃった…」というニュアンスです。
  • 例文2:Maaf, saya terlambat. (マアフ、サヤ トゥルランバット)
    • 意味: ごめんなさい、遅刻してしまいました。
    • 構文: (Maaf / ごめんなさい) + 主語 (saya / 私) + ter動詞 (terlambat / 遅れる)
    • 解説: lambat(遅い)に ter- がついた形(※lambat は形容詞ですが、terlambat で「遅刻する」という動詞的な意味で非常によく使われます)。遅れるつもりはなかった、という気持ちが含まれます。
  • 例文3:Kunci motor saya tertinggal di rumah. (クンチ モトール サヤ トゥルティンガル ディ ルマ)
    • 意味: バイクの鍵を家に置き忘れてきてしまった。
    • 構文: 主語 (Kunci motor saya / 私のバイクの鍵) + ter動詞 (tertinggal / 置き忘れられる) + 場所 (di rumah / 家に)
    • 解説: tinggal(残る、住む)に ter- がついて tertinggal。「意図せず置いてきてしまった」という状況を表します。「あっ、忘れちゃった!」という感じです。

2. 「~されている・~してある」(受動態・状態)

誰がしたか、というよりも「~という状態になっている」ことを表したい時に使います。「di-」を使った受動態(「〜される」という行為)と少しニュアンスが違うのがポイントです(詳しくは後ほど解説しますね!)。

  • 例文1:Pintu itu terbuka. (ピントゥ イトゥ トゥルブカ)
    • 意味: そのドアは開いている。
    • 構文: 主語 (Pintu itu / そのドア) + ter動詞 (terbuka / 開いている)
    • 解説: buka(開ける)に ter- がついて terbuka。「誰かが開けた」という行為より、「ドアが開いている」という結果の状態に焦点が当たっています。
  • 例文2:Buku ini tertulis dalam Bahasa Indonesia. (ブク イニ トゥルトゥリス ダラム バハサ インドネシア)
    • 意味: この本はインドネシア語で書かれている。
    • 構文: 主語 (Buku ini / この本) + ter動詞 (tertulis / 書かれている) + 説明 (dalam Bahasa Indonesia / インドネシア語で)
    • 解説: tulis(書く)に ter- がついて tertulis。「書かれている」という状態を表します。
  • 例文3:Nasi goreng sudah tersedia di meja. (ナシゴレン スダ トゥルスディア ディ メジャ)
    • 意味: ナシゴレンはもうテーブルに用意されています。
    • 構文: 主語 (Nasi goreng / ナシゴレン) + 副詞 (sudah / すでに) + ter動詞 (tersedia / 用意されている) + 場所 (di meja / テーブルに)
    • 解説: sedia(用意する)に ter- がついて tersedia。「用意されている」状態、準備ができていることを示します。レストランなどでよく聞く表現です。

3. 「~できる」(可能)

能力があるから「できる」というよりは、自然と「見える」「聞こえる」のように、感覚的に可能なことを表す場合によく使われます。

  • 例文1:Suara itu terdengar jelas. (スアラ イトゥ トゥルドゥンガル ジュラス)
    • 意味: その音ははっきり聞こえる。
    • 構文: 主語 (Suara itu / その音) + ter動詞 (terdengar / 聞こえる) + 様態 (jelas / はっきりと)
    • 解説: dengar(聞く)に ter- がついて terdengar。「聞こうとしなくても自然に耳に入ってくる」というニュアンスの「聞こえる」です。
  • 例文2:Gunung Fuji terlihat dari sini. (グヌン フジ トゥルリハット ダリ シニ)
    • 意味: ここから富士山が見える。
    • 構文: 主語 (Gunung Fuji / 富士山) + ter動詞 (terlihat / 見える) + 場所 (dari sini / ここから)
    • 解説: lihat(見る)に ter- がついて terlihat。「視界に入ってくる」という意味での「見える」です。
  • 例文3:Senyumnya selalu terbayang di pikiranku. (スニュムニャ スラル トゥルバヤン ディ ピキランク)
    • 意味: 彼女(彼)の笑顔がいつも私の心に思い浮かぶ。
    • 構文: 主語 (Senyumnya / 彼女(彼)の笑顔) + 副詞 (selalu / いつも) + ter動詞 (terbayang / 思い浮かぶ) + 場所 (di pikiranku / 私の心に)
    • 解説: bayang(影、像)に ter- がついて terbayang。「意図しなくても自然と心に浮かんでくる」様子を表します。ちょっとロマンチックな表現ですね!

リアルな会話での使用例:こんな時に使ってみよう!

では、実際の会話ではどんな風に「ter-動詞」が登場するのでしょうか? 友達とのカフェでの会話を覗いてみましょう☕

状況: カフェで待ち合わせ。少し遅れてリナがやってきました。

  • マヤ: 「リナ、ここだよー!」
    • (Rina, sini!)
  • リナ: 「マヤ、ごめんね、terlambat(遅れちゃった)!」
    • (Maya, maaf ya, terlambat!)
  • マヤ: 「全然大丈夫だよ! どうしたの?」
    • (Nggak apa-apa kok! Kenapa?)
  • リナ: 「それがね、昨日の夜、面白そうなインドネシアのドラマを見つけちゃって…。気づいたらソファでtertidur(寝ちゃってた)んだよね。」
    • (Itu lho, kemarin malam aku nemu drama Indonesia yang seru… Nggak sadar aku tertidur di sofa.)
  • マヤ: 「あはは、わかる!私もそういうことあるよ。面白いと止められないよね。…あ、見て!窓の外、虹がterlihat(見える)よ!」
    • (Hahaha, ngerti banget! Aku juga sering gitu. Kalau seru nggak bisa berhenti ya. …Eh, lihat deh! Di luar jendela, pelanginya terlihat!)
  • リナ: 「わー、本当だ!きれいだね!」
    • (Wah, iya! Cantik ya!)

terlambat(遅刻する)、tertidur(寝てしまう)、terlihat(見える)が自然に使われていますね。こんな風に、日常のちょっとした出来事を話すときに「ter-動詞」はとても便利ですね♪

文法の特徴・注意点:もう少し詳しく見てみよう!

最後に、「ter-動詞」を使う上での文法的なポイントや注意点をいくつか確認しておきましょう。

  • 「ter-」がつくときの語幹の形は?
    • 基本的に、「ter-」をつけるとき、元の単語(語幹)の形は変化しません。そのまま「ter-」+「語幹」と組み合わせるだけなので、とっても簡単!
      • 例: tidur → ter + tidur → tertidur
      • 例: buka → ter + buka → terbuka
      • 例: dengar → ter + dengar → terdengar
    • (ごく一部例外もありますが、まずはこの基本ルールを覚えておけばOKです!詳細はFAQセクションで解説します。)
  • 受動態の「ter-」、行為者はどう示すの?
    • 「ter-動詞」が「~されている/してある」という受動態の意味で使われるとき、誰がその動作をしたのか(行為者)をはっきり示すことはあまりありません。なぜなら、「ter-」は状態や結果に焦点を当てるからです。
    • 例えば Pintu itu terbuka は「ドアが開いている」という状態が重要で、「誰が開けたか」はあまり問題にされません。
    • 一方、皆さんが先に習うかもしれない di- を使った受動態 (Pintu itu dibuka) は、「開けられた」という行為そのものに焦点が当たりやすく、必要であれば oleh を使って「~によって」と行為者を示すことができます (Pintu itu dibuka oleh saya / ドアは私によって開けられた)。
    • ter-受動態 でどうしても行為者を匂わせたい場合もありますが、oleh を使うことは稀で、文脈で判断したり、別の言い方をしたりすることが多いです。まずは「ter-受動態は状態重視!」と覚えておきましょう。
  • 他の接頭辞(me-, ber-, di-)との違いは?
    • インドネシア語には ter- 以外にも me-ber-di- といった接頭辞があり、それぞれ動詞に異なるニュアンスを加えます。混乱しやすい di- と ter- の受動態の違いを含めて、簡単に整理してみましょう。
    接頭辞ざっくりとした意味/ニュアンス例文 (buka/開ける)日本語訳me-能動態 (主語が~する)Saya membuka pintu.私がドアを開けるber-自動詞を作ることが多い (状態、相互行為など)Dia berbicara.彼は話すdi-受動態 (~される – 行為に焦点)Pintu itu dibuka (oleh saya).ドアが(私によって)開けられた。(行為)ter-① 意図しない (うっかり~する)Saya tertidur.私は寝てしまった。② 受動態 (~されている/ある – 状態・結果に焦点)Pintu itu terbuka.ドアが開いている。(状態)③ 可能 (自然と~できる)Suara itu terdengar.その音が聞こえる
    • 特に di-受動態 と ter-受動態 の違いは重要です!
      • di- は「~される」というアクションに注目。
      • ter- は「~されている」という状態結果に注目。
    • このニュアンスの違いが分かると、より自然なインドネシア語表現ができるようになりますよ!

理解度チェック!「ter-動詞」ミニクイズ(3問)

さて、ここまで「ter-動詞」の主な意味と使い方を見てきましたね!
ちゃんと理解できているか、ここで簡単なクイズに挑戦してみましょう。復習にもぴったりですよ♪

3つの問題を用意しました。それぞれの文脈に合う選択肢を一つ選んでくださいね。解説もしっかり読んで、理解度チェックをしましょう!


【第1問】意図しない動作

問題文: 下記の空欄に当てはまる最も適切な選択肢を選びなさい。
Aduh! Kunci motor saya ( ) di dalam kamar!
(あちゃー!バイクの鍵を部屋の中に置き忘れちゃった!)

選択肢:
a) tinggal
b) meninggalkan
c) tertinggal
d) ditinggal

正解と解説を確認する

正解: c) tertinggal

解説:
正解は c) tertinggal です!

この文脈では、「うっかり置き忘れてしまった」という、意図しない動作を表していますね。
語幹の tinggal(残る、住む)に ter- が付くことで、「うっかり残してしまう」「置き忘れる」という意味になります。

他の選択肢を見てみましょう。

  • a) tinggal: 語幹(元の形)のままなので、文法的に正しくありません。
  • b) meninggalkanme- が付いた能動態で、「(意図的に)残す、去る」という意味です。例えば、「彼は家族を置いてジャカルタへ行った (Dia meninggalkan keluarganya ke Jakarta.)」のように使います。うっかり忘れた状況には合いませんね。
  • d) ditinggaldi- が付いた受動態で、「残される、置かれる」という意味です。例えば、「私は一人で家に残された (Saya ditinggal sendirian di rumah.)」のように、主語が「〜される」状況で使います。この問題文では「鍵」が主語のように見えますが、「私が(うっかり)鍵を置き忘れた」という状況なので、tertinggal が最も自然です。

【第2問】受動態

問題文: 下記の空欄に当てはまる最も適切な選択肢を選びなさい。
Sepatu yang baru saya beli kemarin sudah ( ) lumpur.
(昨日買ったばかりの靴が、もう泥で汚れちゃった。)

選択肢:
a) kenai
b) mengenai
c) terkena
d) dikenai

正解と解説を確認する

正解: c) terkena

解説:
正解は c) terkena です!

この文では、靴が「(意図せず)泥に触れてしまった」「泥を被ってしまった」という状況を表しています。これは ter- が持つ受動態(〜される)の用法の一つで、特に予期せぬ出来事や被害を表すときによく使われます。語幹は kena(当たる、触れる)です。

他の選択肢も確認しましょう。

  • a) kenai: この形は一般的ではありません。kena に接尾辞 -i が付くと mengenai になることが多いです。
  • b) mengenaime- が付いた能動態で、「〜に当たる、〜に関して」という意味です。例えば、「ボールが彼に当たった (Bola mengenai dia.)」や「それに関して話しましょう (Mari kita bicara mengenai hal itu.)」のように使います。靴が主体的に泥に触れるわけではないので、この文脈には合いません。
  • d) dikenaidi- が付いた受動態で、「〜を課される、〜を被る」という意味です。例えば、「罰金を科される (dikenai denda)」のように使われます。terkena と似ていますが、terkena の方が「偶然〜に遭う、触れる」というニュアンスが強いです。この文脈では、意図せず汚れてしまった状況なので terkena がより適切です。

【第3問】可能

問題文: 下記の空欄に当てはまる最も適切な選択肢を選びなさい。
Suara musik dari tetangga sebelah ( ) sampai ke kamar saya.
(隣の家からの音楽が、私の部屋まで聞こえます。)

選択肢:
a) dengar
b) mendengar
c) terdengar
d) didengar

正解と解説を確認する

正解: c) terdengar

解説:
正解は c) terdengar です!

この文は、「(聞こうとしなくても自然と)聞こえてくる」という可能(〜できる)の意味を表していますね。
語幹の dengar(聞く)に ter- が付くことで、「聞こえる」という意味になります。自分の意思とは関係なく、音が耳に入ってくる状況です。

他の選択肢を見てみましょう。

  • a) dengar: 語幹のままなので、文法的に正しくありません。命令形などで使うことはあります(例: Dengar! 聞け!)。
  • b) mendengarme- が付いた能動態で、「(意識して)聞く」という意味です。例えば、「音楽を聞くのが好きです (Saya suka mendengar musik.)」のように使います。この問題文は、意識して聞いているのではなく、自然と聞こえてくる状況なので合いません。
  • d) didengardi- が付いた受動態で、「聞かれる」という意味です。例えば、「彼の話は多くの人に聞かれた (Ceritanya didengar oleh banyak orang.)」のように、誰かによって聞かれる状況を表します。これも「自然と聞こえる」状況とは異なりますね。

クイズは以上です!全問正解できましたか?
ter- には色々な意味があるので、文脈に合わせて正しく使い分けるのがポイントです。今回の問題解説で、ter-動詞への理解がさらに深まっていれば嬉しいです♪

これでスッキリ!「ter-動詞」に関するよくある質問(FAQ)

インドネシア語の接頭辞「ter-」、特に動詞につく用法を学んでいると、「あれ?これはどういう意味だろう?」「どうやって使い分けるの?」といろんな疑問が出てきますよね。

ここでは、そんな皆さんがつまずきやすいポイントやよくある質問をピックアップして、Q&A形式で分かりやすく解説していきます。これでter-動詞のモヤモヤをスッキリさせましょう!

「ter-」がつくとき、語幹の最初の文字によって形が変わることはありますか?(例: meN-のような変化)

A1: 基本的には、そのまま付きます!

インドネシア語の接頭辞には、meN- のように、続く語幹の最初の音によって形が変わるものがありますが、「ter-」はもっとシンプル!基本的に、語幹の形を変えずにそのまま「ter-」を付けるだけでOKなんです。

例えば:

  • buka (開く) → terbuka (開いている、開けられる)
  • tutup (閉める) → tertutup (閉まっている、閉められる)
  • angkat (持ち上げる) → terangkat (持ち上がる、持ち上げられる)

meN- のような複雑な語幹変化を覚える必要がないので、少しホッとしますよね♪

ただし、ちょっとした例外ルールも:

もし語幹が r の文字で始まる場合、「ter-」の最後の r と語幹の最初の r が重なるため、r が一つに省略されます。

  • rasa (感じる) → terasa (感じられる) (× terrasa ではない)
  • rampas (奪う) → terampas (奪われる) (× terrampas ではない)

でも、このルールはこれだけ! 基本は「そのまま付ける」と覚えておけば大丈夫ですよ。

「ter-」の受動態と「di-」の受動態はどう使い分ければいいですか?

ニュアンスの違いに注目してみましょう!

どちらも日本語にすると「〜される」と訳せることが多い受動態ですが、インドネシア語ではニュアンスが異なります。使い分けのポイントは、「状態」なのか「動作」なのか、そして**「誰がしたか」をはっきりさせたいか**どうかです。

  • ter-受動態:
    • 状態や結果を表すことが多い(例:「〜されている状態だ」)。
    • 意図せずそうなった結果の受動(例:「〜されてしまった」)を表すことも。
    • 誰がその動作をしたか(行為者)は、あまり重要視されないか、示さないことが多いです。
  • di-受動態:
    • 動作そのものに焦点が当たる(例:「〜される」という行為)。
    • 誰がその動作をしたか(行為者) を oleh などを使って示すことが多いです。

言葉だけだと少し分かりにくいかもしれないので、例文で比べてみましょう。

【例文比較】

スクロールできます
状況ter-受動態 (状態・結果・意図しない受動)di-受動態 (動作・行為者)
ドアが…Pintu itu tertutup. (そのドアは閉まっている。)Pintu itu ditutup oleh Adi. (そのドアはアディによって閉められた。)
本が…Buku itu terbawa oleh saya. (その本は私に(うっかり)持ってこられてしまった。) ※Buku itu dibawa oleh Adi. (その本はアディによって持ってこられた。)
名前が…Namanya tertulis di sini. (彼の名前はここに書かれている。)Namanya ditulis oleh dia. (彼の名前は彼によって書かれた。)
問題が…Masalah itu terpecahkan. (その問題は解決した。/ 解けている。)Masalah itu dipecahkan oleh kami. (その問題は私たちによって解決された。)

※ terbawa oleh saya のように ter- 受動態で oleh を使うこともありますが、「意図せず〜してしまった」というニュアンスが強くなります。一般的に di- ほど行為者は明示されません。

【簡単な比較表】

特徴ter-受動態di-受動態
ニュアンス状態、結果、意図しない受動動作、行為
行為者あまり焦点が当たらない、省略されやすい焦点が当たりやすい (oleh ... で示す)

最初は難しく感じるかもしれませんが、たくさんの例文に触れるうちに、このニュアンスの違いが感覚的に分かってくるようになりますよ

「意図しない動作」と「受動態」の意味は、どうやって見分ければいいですか?

文脈と動詞の種類がヒントになります!

ter- には「意図せず〜してしまう」(うっかり、思わず)という意味と、「〜される」という受動態の意味があり、どちらなのか迷うことがありますよね。この見分け方には、いくつかヒントがあります。

  1. 文脈で判断する:
    これが一番重要です! 文全体を読んで、「うっかり」「思わず」「〜してしまった」というニュアンスがあるか、それとも単純に「〜されている」状態や動作を表しているかを考えます。
    • 例: Saya tertidur di kelas. (私は授業中に寝てしまった。) → 「寝てしまった」という意図しない状況が文脈から分かりますね。
    • 例: Kunci saya tertinggal di rumah. (私の鍵は家に置き忘れられてしまった。/ 家に残っている。) → 「うっかり忘れた」という意図しないニュアンスと、「残されている」という受動的な状態の両方がありえますが、多くは意図しないニュアンスで使われます。
  2. 動詞の種類(自動詞か他動詞か)で考える:
    • 自動詞 (目的語をとらない動詞、例: tidur 寝る, duduk 座る, senyum 微笑む) に ter- が付く場合:
      多くは**「意図しない動作」(うっかり〜する、ふと〜する)**の意味になります。
      • tertidur (寝てしまう)
      • terduduk (思わず座る、へたり込む)
      • tersenyum (ふと微笑む)
    • 他動詞 (目的語をとる動詞、例: bawa 持つ, makan 食べる, lihat 見る) に ter- が付く場合:
      「受動態」(〜される)「意図しない動作」(〜してしまう)、そして**「可能」(〜できる)**のいずれかの意味になる可能性があります。どれになるかは、やはり文脈判断が重要になります。
      • terbawa (持ってこられる、運ばれる / うっかり持ってくる)
      • termakan (食べられる / うっかり食べる)
      • terlihat (見える、見られる)

特に他動詞の場合は、文脈をよく見て判断する練習をしてみてくださいね。

「ter-」には「最も~」という最上級の意味もあると聞きましたが?

はい、その通りです!でも、それは形容詞につく場合なんです。

鋭いですね! ter- には「最も〜」という意味を表す最上級の用法もあります。ただし、これは形容詞に付くときの働きです。

例えば:

  • besar (大きい) → terbesar (最も大きい)
  • cantik (美しい) → tercantik (最も美しい)
  • tinggi (高い) → tertinggi (最も高い)

この用法は、形容詞を強調したいときにとてもよく使われます。

今回の記事では、主に**「動詞」** に付く ter- の使い方(受動態、意図しない動作、可能など)を中心に解説してきましたが、形容詞について最上級を作るこの ter- も、インドネシア語ではとっても重要です。

動詞の ter- と形容詞の ter-、それぞれの働きを区別して覚えていきましょう!


これで、ter- 動詞に関する疑問は少し解消されたでしょうか?

まとめ:接頭辞「ter-」(動詞編)をマスターして表現の幅を広げよう!

最後までお読みいただき、ありがとうございます!
今回は、インドネシア語の重要な接頭辞「ter-」が動詞につく場合の意味や使い方について、一緒に学んできました。

ここで、今回のまとめとして、「ter-動詞」の主なポイントを復習しておきましょう。

  • 意図しない動作:「うっかり・思わず~しちゃう」 → tertidur (寝てしまう), terjatuh (転んでしまう) など
  • 受動態:「~されている」(特に状態を表す) → terbuka (開いている), tertulis (書かれている) など
  • 可能:「(自然に)~できる」 → terlihat (見える), terdengar (聞こえる) など

この「ter-」、最初は少し難しく感じるかもしれませんが、使いこなせるようになると、あなたのインドネシア語学習はさらにレベルアップします!微妙なニュアンスを伝えられるようになり、より自然なインドネシア語表現が可能になります。あなたの表現力が豊かになるのを実感できるはずですよ。

せっかく学んだ知識を忘れないためにも、ぜひ復習をしてみてくださいね。

  • この記事に出てきた例文を、声に出して読んでみる
  • 「ter-」を使って、自分の身の回りのことについて短い文を作ってみる

などがおすすめです。「あっ、こういう時に使うんだ!」という発見があると、記憶に定着しやすくなりますよ。

インドネシア語には、「ter-」以外にもたくさんの接頭辞や面白い文法ルールがあります。今回の学びをきっかけに、例えば受動態を表すもう一つの接頭辞「di-」や、今回少し触れた形容詞を最上級にする「ter-」の使い方など、他の文法項目にも挑戦してみませんか?

次のステップへ進むことで、さらにインドネシア語の世界が広がっていきます。焦らず、あなたのペースで学習を楽しんでくださいね。応援しています!

Sampai jumpa lagi di artikel berikutnya! (次の記事でまたお会いしましょう!)

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実際、インドネシア語の勉強を始めたいのですが、、
とりあえず独学で勉強する上で、、どの参考者がいいのかなあ……。

ジョグジャ先生

今回は、著者自身の経験をふまえ、この質問にお答えさせていただきたいと思います。
インドネシア語学習のおすすめ書籍・参考書・辞書を紹介!

詳しくはこちらの記事で紹介しています。

最後に

ジョグジャ先生

最後まで読んでいただきありがとうございました!

こちらのブログでは、インドネシア関連のお役立ち情報をたくさん紹介しています!
ぜひこちらの記事もチェックしてみてください!

インドネシア語の表現力アップ!接頭辞「ter-」の動詞の使い方を初心者向けに徹底解説【例文・クイズ付き】

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