
テキストを読んだり、例文を見たりしていると、動詞の最後に「-kan」(カン)が付いているのをよく見かけませんか? 例えば、ajar
(教える)が mengajarkan
になっていたり、beli
(買う)が membelikan
になっていたり…。



「これって一体何なんだろう?」
「付いている時と付いていない時で、意味はどう違うの?」
「文法ルールなのかな…難しそう…」



でも、心配しないでください! この「-kan」は、難しい文法ルールというよりも、あなたのインドネシア語表現をもっと豊かにしてくれる、とっても便利なツールなんです。まるで、いつもの動詞にちょっとした魔法をかけるみたいに、伝えられることの幅をぐっと広げてくれるんですよ。
実は、この接尾辞「-kan」を理解すると、
- 「〜してあげる」「〜させる」といった、気持ちを込めた表現ができるようになる
- 似ているようで違う動詞のニュアンスをしっかり使い分けられるようになる
- 結果的に、あなたのインドネシア語がぐっと自然で、表現豊かになる
という、嬉しいメリットがたくさんあります!
さあ、一緒に接尾辞「-kan」の世界を覗いて、あなたのインドネシア語をもっともっとパワーアップさせちゃいましょう!






接尾辞「-kan」って何?基本のキをチェック!



さて、まずは 接尾辞「-kan」 が一体どんなものなのか、その基本のキホンから見ていきましょう! これを理解するだけで、インドネシア語の動詞の仕組みが少し見えてきますよ。
「-kan」は単語の「しっぽ」:接尾辞ってなに?
「-kan」は、接尾辞(せつびじ) と呼ばれるものの一つです。なんだか難しそうな言葉に聞こえるかもしれませんが、心配しないでくださいね。
簡単に言うと、接尾辞は 単語の後ろにくっついて、新しい意味を加えたり、品詞(単語の種類)を変えたりする「飾り」 みたいなものです。日本語で言うと、「〜的」「〜化」「〜さ」などが近いイメージかもしれません。(例:「積極」→「積極的」、「自動」→「自動化」、「嬉しい」→「嬉しさ」)
インドネシア語では、この「-kan」が単語の「しっぽ」のように後ろにくっつく、と覚えておきましょう。


「-kan」が付くのはどこ?「語幹」を知ろう!
では、「-kan」はどんな単語の後ろにくっつくのでしょうか?
多くの場合、「-kan」は 語幹(ごかん) と呼ばれる部分の後ろに付きます。
「語幹」も初めて聞く言葉かもしれませんね。これも簡単に言うと、単語の「根っこ」となる、意味の中心部分 のことです🌳 インドネシア語の辞書で単語を引くと、この「語幹」の形で載っていることが多いですよ。
「-kan」が付くとどうなる?意味が変わる魔法✨
ここからが本題です!動詞の語幹に 接尾辞「-kan」 が付くと、元の動詞の 意味 が少し 変化 します。これが「-kan」の面白いところであり、重要な 働き なんです。
具体的には、元の動詞の意味に、次のようなニュアンスが加わることが多いです。
- 何かをさせる(使役)
- 誰かのために何かをする(受益)
- 何かを特定の状態にする /「~を」と目的語をとるようにする(他動詞化)
まだピンとこないかもしれませんが、大丈夫!これから具体的な使い方と例文を見ていきましょう。
見てみよう!「-kan」が付く前と後
「-kan」が付くことで、元の動詞(語幹)の意味がどう変わるのか、簡単な例で見てみましょう。視覚的にイメージすると分かりやすいですよ!
例1:座る → 座らせる
- 基語(語幹):
duduk
(ドゥドゥッ)- 意味:座る(自分で座るアクション)
- 「-kan」が付くと…:
duduk
+kan
→dudukkan
(ドゥドゥッカン)- 意味:座らせる(誰かを座らせるアクション)


例2:入る → 入れる
- 基語(語幹):
masuk
(マスッ)- 意味:入る(自分が入るアクション)
- 「-kan」が付くと…:
masuk
+kan
→masukkan
(マスッカン)- 意味:入れる(何かを中に入れるアクション)





どうでしょうか? なんとなく 接尾辞「-kan」 がどんなもので、どんな 働き をするのか、イメージが掴めてきましたか?



「-kan」が 単語(主に動詞の語幹)の後ろにくっついて、元の意味に「〜させる」とか「(目的語)を〜する」といったニュアンスを加える ということですね!



次のセクションからは、この「-kan」が持つ具体的な意味のパターン(他動詞化、使役、受益など)や、実際の使い方をもっと詳しく見ていきますよ。一緒にマスターして、インドネシア語の表現力をどんどんアップさせましょう!💪
「-kan」の使い方①:自動詞を他動詞に変身!「何を?」が言えるようになる
インドネシア語の文法の中でも、接尾辞「-kan」 の一番基本的で重要な使い方が、この「他動詞化」です。「自動詞」を「他動詞」に変えるって、どういうことでしょうか? 一緒に見ていきましょう!
まず、動詞には大きく分けて2つのタイプがあるのを思い出してみましょう。
- 自動詞: それだけで意味が成り立つ動詞。「誰が」「何が」〜する、という動きを表します。目的語、つまり「~を」にあたる言葉は必要ありません。
- 例:Saya masuk. (私は入る。)
- 他動詞: 「何を?」にあたる言葉(目的語)が必要な動詞。「誰が」「何を」〜する、という動きを表します。
- 例:Saya membaca buku. (私は本を読む。) ←「何を?」→ 本(buku) が必要
そして、ここからが「-kan」のスゴイところ!✨ インドネシア語の接尾辞「-kan」 には、なんと自動詞を他動詞に変身させるパワーがあるんです!



「-kan」が付くことで、「自分で〜する」動きから、「何かに対して〜する・させる」動きに変わる、とイメージすると分かりやすいかもしれませんね。
具体的にどんな動詞が「-kan」で変身するのか、よく使うものをいくつか見てみましょう!
よく使う自動詞と「-kan」付き他動詞のペア
自動詞 (基語) | 意味 (「~を」不要) | 他動詞 (-kan付き) | 意味 (「~を」必要) |
---|---|---|---|
masuk | 入る | masukkan | ~を入れる |
naik | 上がる | naikkan | ~を上げる |
turun | 下りる、下がる | turunkan | ~を下ろす、~を下げる |
keluar | 出る | keluarkan | ~を出す |
duduk | 座る | dudukkan | ~を座らせる |
tidur | 寝る | tidurkan | ~を寝かせる |
bangun | 起きる | bangunkan | ~を起こす、~を建てる・設立する |
habis | なくなる、終わる | habiskan | ~をなくす、~を使い果たす |



では、これらの動詞が実際の会話でどう使われるのか、具体的な例文で見ていきましょう。皆さんの日常生活や旅行先で遭遇しそうな場面を想像してみてくださいね。
例1:masuk (入る) → masukkan (入れる)
- 自動詞 (masuk): Dia masuk ke toko itu.
- 彼/彼女 は その店 に 入る。
- 状況:誰かがお店に入っていくのを見ている場面。「何を」入るかは言いませんね。
- 他動詞化 (masukkan): Tolong masukkan belanjaan ini ke dalam tas.
- この 買った物 を バッグの中 に 入れて ください。
- 状況:スーパーで買い物した後、買ったものを袋やバッグに入れてもらう場面。「何を? (belanjaan ini)」を入れるか、はっきり言っています。目的語がありますね!


例2:naik (上がる) → naikkan (上げる)
- 自動詞 (naik): Harga tiket pesawat naik lagi!
- 飛行機のチケットの値段 が また 上がった!
- 状況:旅行の計画を立てていて、航空券の値段が上がったことに気づいた場面。「何が (Harga tiket pesawat)」上がったかは言いますが、「何を」上げたかは言いません。
- 他動詞化 (naikkan): Toko itu menaikkan harga semua barang.
- その店 は 全ての商品の値段 を 上げた。
- 状況:お気に入りのお店の商品の値段が全体的に上がってしまった場面。「何を? (harga semua barang)」上げたのか、目的語が必要です。
例3:turun (下りる、下がる) → turunkan (下ろす、下げる)
- 自動詞 (turun): Saya mau turun di depan hotel.
- 私 は ホテルの前 で 降りたい です。
- 状況:タクシーや配車アプリの車に乗っていて、目的地で降りたいと伝える場面。「どこで」降りるかは言いますが、「何を」下ろすかは言いません。
- 他動詞化 (turunkan): Pak, tolong turunkan saya di sini ya.
- 運転手さん、ここ で 私 を 降ろして くださいね。
- 状況:タクシーの運転手さんに「私を」降ろしてほしいとお願いする場面。「誰を/何を? (saya)」降ろすのか、目的語が必要ですね。
- 他動詞化 (turunkan – 物の場合): Bisa bantu saya turunkan koper ini dari rak?
- このスーツケース を 棚から 降ろす のを手伝ってもらえますか?
- 状況:電車やバスの網棚など、高いところにある荷物を降ろすのを手伝ってもらう場面。「何を? (koper ini)」降ろすのか、目的語が必要です。



どうでしょうか? 自動詞に「-kan」が付くことで、「~を…する」「~を…させる」という意味が加わり、目的語(「~を」)が必要な他動詞に変わるイメージ、少し掴めましたか?



この「他動詞化」の働きを理解すると、インドネシア語で言えることがぐっと増えます! 「荷物を入れる (memasukkan
barang)」、「値段を上げる (menaikkan
harga)」、「人を降ろす (menurunkan
orang)」など、日常で「~を」を使って何かをしたい場面で、この「-kan」が大活躍してくれるんです。
まずは、今回紹介した masukkan
, naikkan
, turunkan
のような基本的な動詞から、ぜひ使ってみてくださいね! 間違えても大丈夫、どんどん使ってみることが上達への近道ですよ♪
「-kan」の使い方②:誰かに何かを「させる」表現も「-kan」で!【使役】
接尾辞「-kan」 には、もう一つとても重要な使い方があります。それが「使役(しえき)」です。「使役」って聞くと、ちょっと難しく感じるかもしれませんが、簡単に言うと**「誰かに何かをさせる」** という意味を表す使い方です。
この「-kan」をマスターすれば、「〇〇さんに~してもらえますか?」のようなお願いや、「~させる」という表現がぐっとスムーズになりますよ。
「使役」の「-kan」って? 基本のルール
使役の「-kan」は、動詞や形容詞の元になる言葉(語幹)にくっついて、「(誰か)に~させる」 または 「(何か)を~の状態にさせる」 という意味の動詞を作ります。
前回の「他動詞化」と少し似ていますが、こちらの「使役」は、「誰か(何か)に働きかけて、その行動や状態を変えさせる」 というニュアンスがよりはっきりしているのがポイントです。
さっそく、具体的な例を見ていきましょう!
【動詞 + -kan】で「~させる」表現にチャレンジ!
まずは、もともと動詞の言葉に「-kan」がついて「~させる」という意味になるパターンです。
基語 (意味) | -kan付き動詞 (意味) | 例文 (誰が、誰に、何をさせる) |
---|---|---|
dengar (聞く) | dengarkan (聞かせる) | Ibu mendengarkan dongeng kepada anaknya sebelum tidur. (お母さんは寝る前に子供におとぎ話を聞かせます。) |
lihat (見る) | lihatkan (見せる) | Bisa tolong lihatkan KTP Anda? (あなたのKTP(身分証明書)を見せていただけますか? → 見る状態にさせてください) |
masuk (入る) | masukkan (入れる、入らせる) | Petugas itu memasukkan kami ke dalam gedung konser. (その係員は私たちをコンサートホールの中に入れました [入らせました]。) |
pinjam (借りる) | pinjamkan (貸す、貸させる) | Bolehkah saya meminjamkan buku ini kepadamu? (この本をあなたに貸してもいいですか? → 借りる状態にさせてあげる) |
ポイント解説:
dengar
(聞く)に-kan
がつくとdengarkan
(聞かせる)になります。「先生が生徒に音楽を聞かせる」のように、誰かに何かを聞くように働きかけるイメージですね。(※mendengarkan
は「~を(注意して)聞く」という他動詞の意味も強いです)


lihat
(見る)はlihatkan
(見せる)に。「パスポートを見せてください」は、相手にパスポートを見る状態にさせるお願いの表現です。


masuk
(入る)がmasukkan
(入れる/入らせる)になると、「係員が私たちを建物の中に入らせた」のように、働きかけによって中に入る状況を作ることを表します。(他動詞化と使役の両方のニュアンスを含みます)


pinjam
(借りる)がpinjamkan
(貸す/貸させる)になるのも面白いですね!相手に「借りる」という行動をさせる、つまり「貸す」という意味になります。



このように、「-kan」が付くことで、「聞く」→「聞かせる」、「見る」→「見せる」のように、誰かに働きかける意味合いがプラスされるんですね!
【形容詞 + -kan】で「~の状態にさせる」表現も!
次は、形容詞に「-kan」がついて「~の状態にする・させる」という意味の動詞になるパターンです。これは特に便利で、色々な表現に使えますよ!
基語 (意味) | -kan付き動詞 (意味) | 例文 (誰が、何を、どんな状態にさせる) |
---|---|---|
bersih (きれいな) | bersihkan (きれいにする/させる) | Tolong bersihkan meja ini sebelum tamu datang. (お客さんが来る前にこの机をきれいにしてください [きれいな状態にさせてください]。) |
panas (熱い) | panaskan (熱くする、温める/させる) | Saya mau memanaskan sup ini sebentar. (私はこのスープを少し温めたいです [熱い状態にさせたいです]。) |
jelas (明らかな) | jelaskan (明らかにする、説明する) | Pak guru menjelaskan tata bahasa yang sulit itu. (先生はその難しい文法を説明します [明らかな状態にします]。) |
kering (乾いた) | keringkan (乾かす/乾かさせる) | Setelah kehujanan, saya mengeringkan rambut dengan handuk. (雨に降られた後、私はタオルで髪を乾かしました [乾いた状態にさせました]。) |
ポイント解説:
bersih
(きれいな)に-kan
がつくとbersihkan
(きれいにする/きれいな状態にさせる)という動詞になります。「机をきれいにしてください」は、「机をきれいな状態にさせてください」と頼んでいるわけですね。panas
(熱い)はpanaskan
(熱くする/させる、温める)。冷めたスープを「熱い状態にさせる」=「温める」という意味になります。jelas
(明らかな)がjelaskan
(明らかにする/させる、説明する)になるのは、特に重要!「説明する」ことは、相手にとって「(内容を)明らかな状態にさせる」ことですよね。これは他動詞化の代表例でもあります。kering
(乾いた)がkeringkan
(乾かす/乾いた状態にさせる)になるのも分かりやすい例です。



このように、形容詞に「-kan」が付くと、「(何か)を~な状態にする・させる」という意味の動詞になるんですね!
「他動詞化」と「使役」、どう違うの?
前回の「他動詞化」と今回の「使役」、どちらも「-kan」が付くし、意味も似ているように感じるかもしれませんね。
確かに、membersihkan meja
(机をきれいにする)は、「机をきれいな状態にさせる」という使役のニュアンスも含まれているので、境界線がはっきりしない場合もあります。
でも、意識しておきたいのは、「使役」の「-kan」は、「誰か・何かに働きかけて、行動や状態を変化させる」というニュアンスがより強いということです。
- 他動詞化のイメージ: (目的語)を どうする
- 例:
Saya membaca buku.
(私は本を読む。)
- 例:
- 使役のイメージ: (誰か)に (何か)を どうさせる / (何か)を (どんな状態)にさせる
- 例:
Ibu mendengarkan musik kepada saya.
(母は私に音楽を聞かせる。) - 例:
Saya membersihkan kamar.
(私は部屋をきれいにする [きれいな状態にさせる]。)
- 例:



最初は少し混乱するかもしれませんが、「~させる」「~の状態にする」という**「働きかけ」**を意識すると、使い分けの感覚が掴めてくるはずです。
この使役の「-kan」を使いこなせるようになると、「〇〇してもらえますか?」とお願いしたり、誰かに何かをしてもらう状況を説明したりするのが、ぐっと楽になります。インドネシア語の表現力が、また一歩アップしますよ!✨
「-kan」の使い方③:誰かの「ために」何かをする時にも「-kan」!【受益】
接尾辞「-kan」 には、「他動詞化」や「使役」の他にも、とても便利で、インドネシアの人たちの優しさが感じられるような使い方があります。それが、誰かの「ために」何かをしてあげる、という意味を表す【受益(じゅえき)】の用法です。
難しく聞こえるかもしれませんが、「受益」というのは、誰かの利益になるような行動のこと。「~してあげる」という、ちょっとした親切心を表すときにピッタリなんですよ♪
この使い方、必ず覚えなければいけないわけではありませんが、知っていると表現の幅がぐっと広がって、インドネシア語でのコミュニケーションがもっと楽しくなります!
「(人)のために~してあげる」を表す「-kan」
動詞の語幹に「-kan」が付くと、「〇〇さんのために~してあげる」という、親切な気持ちを込めた意味になることがあります。
基本的には「~してあげる」というニュアンスで覚えておくと分かりやすいです。(※状況によっては「~してもらう」という意味で使われることもあります)
具体的な動詞と例文を見てみよう!
どんな動詞が使われるのか、いくつか例を見てみましょう。ここでは、日常会話でよく使う動詞をピックアップしました。
基語(元の動詞) | 意味 | -kan付き動詞 | 意味 |
---|---|---|---|
beli | 買う | belikan | (人のために)買ってあげる |
ambil | 取る | ambilkan | (人のために)取ってあげる |
bawa | 持っていく | bawakan | (人のために)持ってあげる |
※ beli
, ambil
, bawa
に -kan
が付く際、多くの場合 meN-
という接頭辞も一緒に付き、membelikan
, mengambilkan
, membawakan
の形になります。





では、これらの動詞を使った例文を見ていきましょう!「誰が」「誰のために」「何をしてあげる」のか、注目してみてくださいね。
1. beli(買う) → belikan(買ってあげる)
友達に飲み物を買ってあげる時や、家族にお土産を買ってきてあげる時などに使えます。
- 例文:Id
1Saya membelikan teman saya kopi.
(サヤ ムンブリカン トゥマン サヤ コピ)
訳:私は友達にコーヒーを買ってあげます。
→ 私(主語)が、友達(受益者)のために、コーヒー(対象物)を買ってあげる、という状況ですね!とっても親切! - 例文:Id
1Ibu membelikan adik oleh-oleh dari Bali.
(イブ ムンブリカン アデッ オレーオレ ダリ バリ)
訳:母は弟にバリのお土産を買ってあげました。
→ 母(主語)が、弟(受益者)のために、バリのお土産(対象物)を買ってあげた、という優しい気持ちが伝わりますね。
2. ambil(取る) → ambilkan(取ってあげる)
高いところにある物を取ってあげたり、誰かが落としたものを拾ってあげたりする時に使えます。「(私のために)取ってください」とお願いする時にもよく登場しますよ。
- 例文:Id
1Kakak mengambilkan saya buku di rak atas.
(カカッ ムンガンビルカン サヤ ブク ディ ラッ アタス)
訳:兄(姉)は私に上の棚にある本を取ってくれました。
→ 兄/姉(主語)が、私(受益者)のために、本(対象物)を取ってあげた、という意味合いです。(日本語訳では「くれる」の方が自然ですね) - 例文:Id
1Tolong ambilkan garam itu.
(トロン アンビルカン ガラム イトゥ)
訳:そのお塩を取ってください。(=私のために取って)
→ これは依頼の形ですが、「私のために取って」という【受益】のニュアンスが含まれています。丁寧なお願いの仕方ですね。
3. bawa(持っていく) → bawakan(持って行ってあげる/運んであげる)
重い荷物を持ってあげたり、誰かの代わりに何かを運んであげたりする、優しい場面で使えます。
- 例文:Id
1Dia membawakan tas saya yang berat.
(ディア ムンバワカン タス Сая ヤン ブラット)
訳:彼/彼女は私の重いカバンを持ってくれました。
→ 彼/彼女(主語)が、私(受益者)のために、重いカバン(対象物)を持ってあげた(運んであげた)、ということですね。助かります! - 例文:Id
1Saya akan membawakan makanan ini untuk nenek.
(サヤ Акан Мунбавакан Маканан Ини Унтук Ненек)
訳:私がおばあちゃんにこの食べ物を持って行ってあげます。
→ 私(主語)が、おばあちゃん(受益者)のために、この食べ物(対象物)を持って行ってあげる、という状況です。「untuk nenek(おばあちゃんのために)」という言葉で、誰のためかがよりはっきりしていますね。



このように、「-kan」が付くことで「誰かのために」という気持ちを表現できるのが【受益】の用法です。



「~してあげる」という優しい気持ちを表す時に使えるってことですね!



特に belikan, ambilkan, bawakan は日常でよく耳にするので、ぜひ覚えて使ってみてくださいね。きっとインドネシア語での表現が豊かになり、現地の人とのコミュニケーションも、もっと温かいものになりますよ!
「-kan」を使う時のちょっとした注意点
ここまで、「-kan」がインドネシア語の表現を豊かにしてくれる、とっても便利な接尾辞だってことが分かりましたね! 動詞に付けるだけで、いろんな意味をプラスできるなんて、すごいです✨
でも、実際に使ってみる前に、いくつか知っておくと安心な注意点があるんです。難しく考えなくて大丈夫なので、一緒にチェックしていきましょう♪
1. 「-kan」は仲間と一緒? 接頭辞「meN-」との組み合わせ
まず覚えておきたいのが、「-kan」は多くの場合、一人で使われるのではなく、接頭辞(せっとうじ) と呼ばれる”単語の頭につく飾り”のようなものと組み合わせて使われる、ということです。
特に**「meN-(ムン)」** という接頭辞と一緒に使われることがとっても多いんです。
例を見てみましょう:
dengar
(聞く) →me
+dengar
+kan
→mendengarkan
(〜を聴く、〜に聞かせる)





「あれ? dengarkan
じゃなくて mendengarkan
なの?」



実は、この接頭辞「meN-」 が付くときには、後ろに来る単語の頭の音によって形が変わる、というルールがあるんです。でも、このルールは少し複雑なので、焦って全部覚えようとしなくて大丈夫ですよ!😊
ここでは、「ふーん、-kan は meN- みたいな接頭辞とセットで使われることが多いんだな」 っていうことだけ、頭の片隅に置いておいてください。
接頭辞「meN-」 の詳しいお話は、こちらで紹介しています。




2. 全ての動詞に「-kan」が付くわけじゃない!



「この動詞に -kan を付けたら、あの意味になるかな?」なんて、いろいろ試してみたくなりますよね。でも、ちょっと待って!



実は、どんな動詞にでも「-kan」を付けられるわけではない んです。日本語でも、「食べる」に「〜させる」を付けて「食べさせる」とは言えるけど、「走る」に「〜させる」を付けて「走らせる」は自然ですが、「寝る」に「〜させる」は「寝かす」と言うことが多いですよね。それと同じような感じです。



「じゃあ、どうやって見分ければいいの?」
ここで活躍するのが 辞書 です📖 新しい「-kan」付きの動詞に出会ったり、自分で使ってみたいと思ったりしたら、必ず辞書で確認する習慣 をつけましょう。
- その「-kan」付きの動詞は本当に存在する?
- 存在するなら、どんな意味で使われている?
辞書 は、インドネシア語 学習の頼もしい相棒になってくれますよ。分からないことをそのままにせず、辞書を引いてみる。この一手間が、あなたのインドネシア語をより正確で自然なものにしてくれます。


3. ひとつの言葉に複数の意味?



最後に、ちょっとだけ補足情報です。これまで見てきたように、「-kan」には「〜を(他動詞化)」「〜させる(使役)」「〜してあげる(受益)」など、いくつかの意味がありましたよね。
実は、一つの「-kan」付き動詞が、文脈によって複数の意味を持つ こともあるんです。例えば、mendengarkan
は「(音楽)を(注意して)聞く」という他動詞化の意味も、「(人)に(話)を聞かせる」という使役の意味も持ちます。



「えー、どっちの意味か分からなくなっちゃうかも…」
会話の流れや前後の文脈から、どちらの意味で使われているか判断できるようになります。これも辞書で単語を調べると、「他動詞化」「使役」のように意味が複数書かれていることがあるので、チェックしてみてくださいね。
今回は、「-kan」を使う上でのちょっとした注意点を見てきました。接頭辞との組み合わせや、辞書で確認することの大切さなど、少し覚えることがあるな、と感じたかもしれません。



でも、焦らなくて大丈夫ですよ! 最初は誰でも戸惑うものです。まずは「-kan」の基本的な役割を理解して、少しずつ慣れていくのが一番です。分からないことがあったら、いつでも辞書を頼りにしてくださいね。一緒に楽しくインドネシア語の表現力をアップさせていきましょう!😊
まとめ:「-kan」を使いこなしてインドネシア語をもっと楽しもう!
皆さん、ここまで本当にお疲れ様でした!✨ インドネシア語の重要な接尾辞「-kan」 について、一緒に学んできましたが、いかがでしたか?
「なんだか難しそう…」と思っていた方も、少しずつ「-kan」の働きや使い方が見えてきたのではないでしょうか?
最後に、この記事で学んだ大切なポイントを一緒に復習して、知識をしっかり定着させましょう!
「-kan」の主な3つの働き:おさらい
今回注目した「-kan」の主な働き(意味)は、以下の3つでしたね。
- 他動詞化:「〜を〜する」
- 自動詞(目的語を取らない動詞)や形容詞などについて、「〜を〜する」という意味の他動詞に変える働き。(例:
bersih
きれいな →membersihkan
〜をきれいにする)
- 自動詞(目的語を取らない動詞)や形容詞などについて、「〜を〜する」という意味の他動詞に変える働き。(例:
- 使役:「〜に〜させる」「〜の状態にさせる」
- 人に何かをさせる、してもらう、または物を特定の状態にさせるという意味を加える働き。(例:
dengar
聞く →mendengarkan
〜に聞かせる、bersihkan
きれいにする = きれいな状態にさせる)
- 人に何かをさせる、してもらう、または物を特定の状態にさせるという意味を加える働き。(例:
- 受益:「(誰か)のために〜する」
- 「〜のために」というニュアンスを加え、誰かの利益になるように行動することを表す働き。(例:
beli
買う →membelikan
〜のために買ってあげる)
- 「〜のために」というニュアンスを加え、誰かの利益になるように行動することを表す働き。(例:
これらの働きを理解しておくと、知らない「-kan」付きの動詞に出会ったときも、「もしかして、こういう意味かな?」と推測しやすくなります。これは大きな進歩ですよね!👏
「-kan」マスターで広がるインドネシア語の世界
接尾辞「-kan」 を理解し、使いこなせるようになると、
- 辞書で単語を調べる効率が上がる
- より多くの動詞の意味が分かるようになる(インドネシア語 動詞 活用の理解が深まる)
- 自分の言いたいことを、より正確に、ニュアンス豊かに表現できるようになる
など、たくさんのメリットがあります。
「これを伝えたいのに、どう言えばいいんだろう?」という場面が少しずつ減って、インドネシア語でのコミュニケーションがもっと楽しくなるはずです!
ちょっと力試し!復習練習問題
学習したことを確実に身につけるために、簡単な練習問題にチャレンジしてみましょう!💪
問題1: 次の文はどんな意味でしょう? ヒント:「-kan」の働き(他動詞化、使役、受益)を考えてみてくださいね。
Ibu memasakkan saya nasi goreng.
(masak
: 料理する)Tolong hidupkan lampu itu.
(hidup
: つく、生きる)Dia menjelaskan pelajaran itu kepada saya.
(jelas
: 明らかな)
正解と解説を確認する
問題1:
- お母さんは私のためにナシゴレンを作ってくれます。(受益:「〜のために料理する」)
- その電気をつけてください。(他動詞化/使役:「〜をつける」「つく状態にさせる」)
- 彼は私にその課(レッスン内容)を説明してくれました。(他動詞化:「〜を明らかにする」=説明する)
問題2: ()内の語に -kan
をつけて、文を完成させてみましょう。(必要であれば meN-
接頭辞も付けてみましょう)
Saya akan _______ (pinjam) buku ini untuk Anda.
(私はあなたのためにこの本を貸します。)Guru _______ (duduk) murid di kursi itu.
(先生はその椅子に生徒を座らせます。)
正解と解説を確認する
問題2:
Saya akan **meminjamkan** buku ini untuk Anda.
(pinjam
借りる →meminjamkan
〜のために借りる、〜に貸す ※受益のニュアンス。「貸す」の意味)Guru **mendudukkan** murid di kursi itu.
(duduk
座る →mendudukkan
〜を座らせる ※使役)



どうでしたか? もし間違えてしまっても大丈夫!繰り返し復習すれば、必ず身についていきますよ。
これからも一緒にインドネシア語を楽しもう!
今回は接尾辞「-kan」 という、少し複雑に感じるかもしれないインドネシア語の文法テーマに挑戦しました。本当によく頑張りましたね!
インドネシア語の文法は、最初は覚えることが多くて大変に感じるかもしれませんが、一つ一つ理解していくことで、見える世界がぐっと広がります。
「-kan」はその中でも特に重要で、使いこなせると表現の幅が大きく広がります。ぜひ、今回学んだことを実際の会話や文章で使ってみてくださいね。
焦らず、ご自身のペースで、これからもインドネシア語 学習を楽しんでいきましょう!応援しています!🎌


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今回は、著者自身の経験をふまえ、この質問にお答えさせていただきたいと思います。
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最後に



最後まで読んでいただきありがとうございました!



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