例えば、あなたが友人に「日本に行ったことがありますか?」と聞かれたとします。 インドネシア語では Apakah kamu pernah ke Jepang? (アパカ カム プルナ ク ジュパン?) ですね。
それに対して、あなたの答えが…
Saya tidak pernah ke Jepang. (サヤ ティダッ プルナ ク ジュパン) 「私は一度も日本へ行ったことがありません。」 この場合、日本に行った経験が全くなく、もしかしたら「今後も特に日本へ行く予定はないし、あまり興味もないかな…」というニュアンスが含まれることがあります。経験の完全な欠如を伝える、キッパリとした否定ですね。
Saya belum pernah ke Jepang. (サヤ ブルム プルナ ク ジュパン) 「私はまだ日本へ行ったことがありません。」 こちらの場合は、「今はまだ行ったことがないけれど、いつか行ってみたいなぁ」とか「将来的には行くかもしれない」といった、今後の可能性が感じられます。「いつか行けるといいな」という前向きな気持ちが込められていることも多いです。
もう一つ、日常的な会話で考えてみましょう。
友達A:「ねえねえ、駅前に新しくできたカフェのパンケーキ、もう食べた?」 あなた:「ううん、どうだった?」 友達A:「ふわふわで、すっごく美味しかったよ!食べたことある? (Sudah pernah coba? スダ プルナ チョバ?)」
この質問に対して…
もしあなたが「パンケーキはあまり好きじゃないし、そのカフェにも特に興味がないな…」と思っているなら: Tidak pernah. (ティダッ プルナ) 「一度もないよ。(これからも食べることはないかも…)」
もしあなたが「へえ、美味しそう!まだ食べてないけど、今度行ってみようかな!」と思っているなら: Belum pernah. (ブルム プルナ) 「まだないの。(でも、食べてみたいな!)」
Apakah kamu pernah bertemu dia? (アパカ カム プルナ ブルトゥム ディア?) 訳:あなたは彼/彼女に会ったことがありますか?
Apakah:~ですか(疑問詞)
kamu:あなた
bertemu:会う
dia:彼/彼女
Apakah Anda pernah mencoba masakan Padang? (アパカ アンダ プルナ ムンチョバ マサカン パダン?) 訳:あなたはパダン料理を試したことがありますか?
Anda:あなた(kamuより丁寧な言い方)
mencoba:試す
masakan Padang:パダン料理
Apakah mereka pernah mendaki gunung itu? (アパカ ムレカ プルナ ムンダキ グヌン イトゥ?) 訳:彼らはその山に登ったことがありますか?
mereka:彼ら/彼女ら
mendaki:登る
gunung:山
itu:その
ちなみに、日常会話では「Apakah」を省略して、語尾を少し上げるイントネーションで疑問を表すこともよくあります。例えば、「Kamu pernah ke Bali?(カム プルナ ク バリ? あなた、バリ行ったことある?)」のように、くだけた感じで話すときですね。でも、基本の形として「Apakah」を覚えておくと、丁寧な場面でも失礼なく質問できますよ。
akan pernah / tidak akan pernah:「(将来)~するだろう」/「決して~しないだろう」【未来の経験について】
pernah は過去の経験だけでなく、未来の経験の有無についても語ることができるんです。その際に使われるのが akan (アカン:~だろう、未来を表す) との組み合わせです。
akan pernah (アカン プルナァ):(将来的に)~したことがある状態になるだろう、~する経験を持つだろう これは、「いつかそんな経験をするだろうな」という未来の可能性を示唆する時に使われます。例文:
Suatu saat nanti, saya yakin dia akan pernah mengunjungi Jepang. (スアトゥ サアッ ナンティ、サヤ ヤキン ディァ アカン プルナァ ムングンジュンギ ジュパン) 訳:いつの日か、彼/彼女は日本を訪れたことがある、という経験をするだろうと私は確信しています。
tidak akan pernah (ティダッ アカン プルナァ):決して~しないだろう、未来永劫~する経験はないだろう こちらはグッと強い表現で、「絶対に~しない!」「未来永劫、そんな経験はしない!」という強い意志や感情を表すときに使われます。まさに「決して~ない」という日本語訳がぴったりですね。例文:
Saya tidak akan pernah melupakanmu. (サヤ ティダッ アカン プルナァ ムルパカンム) 訳:私は決してあなたを忘れないだろう。
Aku tidak akan pernah menyerah pada mimpiku! (アク ティダッ アカン プルナァ ムニュラァ パダ ミンピク!) 訳:私は決して自分の夢を諦めない!
pernah (~したことがある) に、ピタッと対応する一語の反対語(対義語)というのは、インドネシア語には少し難しいかもしれません。
しかし、文脈によっては「まだ~ない」という意味の belum (ブルム) が対の関係になることがあります。特に「~したことがありますか?」という質問に対して「いいえ、まだです」と答える場合ですね。
A: Sudah pernah coba nasi Padang? (パダン料理、試したことある?)
B: Belum pernah. (まだないです。) / Belum. (まだ。)
この場合の belum pernah は「まだその経験がない」という意味になります。 ちなみに、「一度も~したことがない」と完全に否定したい場合は tidak pernah を使います。この belum pernah と tidak pernah の細かいニュアンスの違いについては、前のセクションで詳しく解説しましたので、そちらもぜひ復習してくださいね!
A: Film “Laskar Pelangi” sudah nonton? (映画「虹の兵士たち」もう観た?) B:Belum pernah. Seru ya? (まだ観たことない。面白い?) A: Iya, bagus banget! Kamu harus nonton! (うん、すごく良いよ!観なきゃ!)
(B) の Saya belum pernah baca buku itu. が正解の理由は、「まだ~したことがない」という、「今は経験していないけれど、これから経験するかもしれないよ」という未来への可能性を含んだ未経験を表すのが、まさに「belum pernah」だからです。 この例文だと、「今はまだその本を読んだことはないけど、いつか読むかもしれないな~」という気持ちが込められているんですね。
では、他の選択肢がなぜ今回は当てはまらないのかも、一緒に見ていきましょう!
(A) Saya tidak pernah baca buku itu. こちらは「私は一度もその本を読んだことがありません」という意味になります。「tidak pernah」は、過去に一度もその経験がなく、これからもなさそうな、よりキッパリとした完全な否定を表します。「まだ」という少し含みのあるニュアンスとは、ちょっと違いますね。この「belum pernah」と「tidak pernah」の違いは、会話の印象を左右する大切なポイントです!
(C) Saya sudah pernah baca buku itu. 「sudah」は「すでに~した」という意味の言葉でしたね。なので、「Saya sudah pernah baca buku itu.」は「私はすでにその本を読んだことがあります」となり、問題文の「まだ読んだことがない」とは反対の意味になってしまいます。
(D) Saya akan pernah baca buku itu. 「akan」は「~するつもりだ、~するだろう」という未来を表す言葉ですが、「akan pernah」という組み合わせは、インドネシア語では一般的ではなく、ちょっと不自然な表現なんです。「これから経験するだろう」と伝えたい場合は、また別の言い方がありますよ。
(A) belum 「belum」は「まだ~ない」という意味。もし “Dia belum pergi ke Korea.” とすると、「彼はまだ韓国へ行っていません」という意味になります。経験の有無ではなく、現時点での状況を表しますね。
(B) tidak 「tidak」は単純な否定「~ない」なので、”Dia tidak pergi ke Korea.” だと「彼は韓国へ行きません(あるいは、今行っていません)」という意味になります。「経験したことがあるかないか」というニュアンスは含まれません。
(C) pernah はい、これが大正解! “Dia pernah pergi ke Korea.” で「彼は韓国へ行ったことがある」という、過去の経験をズバリ表すことができます。シンプルですが、とってもよく使う形です。
(D) akan 「akan」は「~するだろう、~するつもりだ」という未来を表す言葉でしたね。なので、”Dia akan pergi ke Korea.” とすると「彼は韓国へ行くだろう(行くつもりだ)」という意味になります。
「pernah」が「経験」を表す!この基本をしっかり押さえておけば、会話の幅がぐんと広がりますよ♪
クイズ3:強い意志を表すのは?
問題:「私たちは決して諦めません!」という強い意志を表すインドネシア語は?
(A) Kami pernah menyerah. (B) Kami belum pernah menyerah. (C) Kami tidak pernah menyerah. (D) Kami tidak akan pernah menyerah.
正解と解説を確認する
正解: (D) Kami tidak akan pernah menyerah.
解説: 最後の問題、いかがでしたか?これは「pernah」を使った、ちょっぴり応用編でしたね!
(D) の Kami tidak akan pernah menyerah. が正解の理由は、「決して~しない!」「絶対に未来永劫~するものか!」という、未来に対するものすごーく強い否定の意志を表すのが、この「tidak akan pernah」という特別なフレーズだからです。 「menyerah(ムニュラッ)」は「諦める」という意味の動詞なので、「Kami tidak akan pernah menyerah.」で「私たちは決して諦めません!」という、ドラマの主人公のような決意表明ができちゃうんです!かっこいいですよね!
他の選択肢は、どんなニュアンスになるのか見てみましょう。
(A) Kami pernah menyerah. 「pernah」だけだと、「私たちは(過去に)諦めたことがあります」という意味になってしまいます。これでは「決して諦めない!」という強い意志とは真逆ですね。
(B) Kami belum pernah menyerah. 「belum pernah」を使うと、「私たちはまだ諦めたことがありません」という意味になります。過去から現在にかけて諦めていないことは伝わりますが、「これからも絶対に!」という未来への強い決意を込めるには、少しパンチが弱いかもしれません。
(C) Kami tidak pernah menyerah. 「tidak pernah」は「私たちは一度も諦めたことがありません」という、過去の経験の完全な否定を表します。これもかなり強い表現ではありますが、「今後も絶対に」という未来への強い意志を前面に出したい場合は、「tidak akan pernah」の方がより「これ以上ないくらい強い!」というニュアンスを伝えられるんですよ。
(D) Kami tidak akan pernah menyerah. これが今回のベストアンサー!「tidak(~ない)」+「akan(未来)」+「pernah(経験する)」を組み合わせることで、「未来において、経験することが決してないだろう」という意味になり、非常に強い決意や否定を表すことができる、とっておきの表現です。
疑問文での使い方: 「Apakah Anda pernah…?(あなたは~したことがありますか?)」と尋ねることで、会話の幅がぐっと広がります。
「pernah」を使いこなせるようになると、インドネシア人の友達や同僚との会話で、自分の経験を伝えたり、相手の経験を興味津々に尋ねたりすることができるようになります。例えば、「Saya pernah ke Bali.(私はバリ島に行ったことがあります)」なんて自己紹介で言えたら素敵ですよね!このように、「pernah」はあなたのインドネシア語の表現力を豊かにし、コミュニケーションをよりスムーズで楽しいものにしてくれる魔法の言葉なんです。
さあ、この記事を読み終えた今こそ、実際に「pernah」を使って会話してみる絶好のチャンスです!難しく考えずに、まずは「Saya pernah makan nasi goreng.(私はナシゴレンを食べたことがあります)」のように、あなたの身近な経験から話してみませんか?間違えても大丈夫!大切なのは、積極的に使ってみようというチャレンジ精神です。その一歩が、あなたのインドネシア語学習を大きく前進させます。