
世界第4位の人口を誇り、若年層を中心に活気あふれるインドネシア市場。
近年、目覚ましい経済成長を遂げ、多くの企業にとって魅力的なターゲット市場となっています。



そして、この巨大市場へのアプローチとして欠かせないのが SNSマーケティング です。



分かってはいるんですけど、そもそも私、Tiktokもまともに使っていなくて……
インドネシアは、世界でも有数のSNS大国として知られており、国民の多くが、日常生活の中で、様々なSNSを活用しています。
「インドネシアでどんなSNSが人気なの?」
「どんなコンテンツが効果的なの?」
「実際に、どう活用すればいいか分からない…」



そんな悩みをお持ちの企業担当者やマーケターの方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、インドネシア市場で成功するためのSNSコンテンツ戦略について、具体的な事例やデータも交えながら、分かりやすく解説していきます!
ぜひ、最後まで読んで、インドネシア市場での成功を目指しましょう!
1. インドネシアのSNS利用動向を知る:まずは市場を理解することから!
効果的なSNS戦略を立てるためには、まず、インドネシアの SNS利用動向 を把握することが重要です。
インドネシアで人気のSNS、ユーザー層、利用目的などを理解することで、ターゲット顧客に響くコンテンツや、最適なプラットフォーム選びが見えてきます。
インドネシアで人気のSNS
DataReportalの「Digital 2024: Indonesia」によると、インドネシアで最も利用者が多いSNSは、以下の通りです。


インドネシアで特に人気のあるソーシャルメディアプラットフォームは、以下の通りです。
右の人数は各プラットフォームにおける広告を使用した場合の潜在的なリーチできる人数の総数を表しています。
ソーシャルメディアプラットフォーム | 広告の潜在的リーチ総数 |
---|---|
YouTube | 1億3,900万人 |
1億1,760万人 | |
TikTok | 1億2,680万人 |
1億90万人 | |
2,600万人 | |
X (旧Twitter) | 2,469万人 |
Facebook Messenger | 2,775万人 |
Snapchat | 205万人 |
以下は各プラットフォームにおける、月間の平均利用時間をまとめたものです。
※データは2023年7月1日-9月30日の調査結果を利用しています。
ソーシャルメディアプラットフォーム | 月間平均利用時間 |
---|---|
YouTube | 31時間28分 |
12時間56分 | |
TikTok | 38時間26分 |
16時間10分 | |
37分 | |
X (旧Twitter) | 6時間26分 |
Facebook Messenger | 54分 |
Snapchat | 1時間3分 |
26時間13分 |
(出所: DataReportal – Digital 2024: Indonesia)
YouTube、Facebook、TikTokが、インドネシアで特に人気のあるソーシャルメディアプラットフォームです。
これらのプラットフォームは、広告配信先としても非常に魅力的であり、多くの企業がマーケティング活動に活用しています。


【ポイント解説】
- YouTubeは利用者数も多く・長い時間消費されている!
- インドネシアでは、YouTubeが圧倒的な人気を誇り、国民の半数の49.8%が利用しています。
- エンターテイメント、教育、情報収集など、様々な目的で利用されています。
- Facebookも依然として強い:
- Facebookは、長年インドネシアで利用されており、幅広い年齢層に利用者が多いのが特徴です。
- ニュースや情報収集、友人とのコミュニケーションなどに利用されています。
- Instagramは若年層に人気:
- Instagramは、写真や動画を中心としたSNSで、特に若年層に人気です。
- おしゃれなライフスタイルや、ファッション、美容などの情報収集に利用されています。
- TikTokは急成長中!:
- TikTokは、短い動画を共有するSNSで、近年、インドネシアで爆発的に普及しています。
- 若年層を中心に、エンターテイメントや情報収集などに利用されています。
ターゲット顧客のSNS利用状況を分析
自社のターゲット顧客が、どのSNSを、どのような目的で利用しているのかを分析することが、効果的なSNSマーケティングの第一歩です。



例えば、若年層向けのアパレルブランドであれば、InstagramやTikTokでの情報発信が効果的でしょう。



一方、ビジネスパーソン向けのサービスであれば、LinkedInやFacebookを活用する方が良いかもしれません。
Z世代(1997年から2012年の間に生まれた世代)の利用状況
Z世代の1日あたりのオンライン滞在時間


Z世代が頻繁に利用するソーシャルメディア


Z世代が好むコンテンツ形式


Z世代のソーシャルメディアの利用目的


ミレニアル世代(1997年から2012年の間に生まれた世代)の利用状況
ミレニアル世代の1日あたりのオンライン滞在時間


ミレニアル世代が頻繁に利用するソーシャルメディア


ミレニアル世代が好むコンテンツ形式


ミレニアル世代のSNSの利用目的


2. 魅力的なソーシャルメディア・コンテンツの作り方:ユーザーの心を掴む!
インドネシアのユーザーは、SNS上で、 エンターテイメント性 や 有益な情報 を求めている傾向があります。



ただ単に商品情報を羅列するのではなく、ユーザーの心を掴む、魅力的なコンテンツ作りが重要です。




魅力的なコンテンツのポイント
- クリエイターによるレコメンド:
- 誰がその商品(製品・イベント・アプリ・音楽・映画)を使っているかという情報がユーザー自身もクリエイターやインフルエンサーと同じものを使いたいという気持ちを訴求します。
- 商品情報・メリットを分かりやすく訴求:
- インドネシア語で、分かりやすく商品の魅力を伝えましょう。
- インフォグラフィックや動画などを活用すると、より効果的に情報を伝えられます。
- 正直なレビュー:
- インドネシアのユーザーは、口コミやレビューを重視する傾向があります。
- 商品を利用したユーザーの正直な感想や体験談を共有することで、信頼性を高められます。
- 割引や期間限定のキャンペーン:
- インドネシアでは⽇本と同様に、割引や商品情報が⼤きな影響⼒を持ちます。
- 宗教のイベントや祝日などに合わせたコンテンツ配信も有効です。
- 優れた商品ビジュアル:
- インドネシアのユーザーは、視覚的な情報に強く惹かれる傾向があります。
- 高画質で、魅力的な商品写真や動画を積極的に活用しましょう。
- ユーザー参加型の企画:
- インドネシアのユーザーは、SNSでの交流を積極的に楽しむ傾向があります。
- コンテストやキャンペーンなど、ユーザー参加型の企画を取り入れることで、顧客とのエンゲージメントを高められます。
- ユーモアを取り入れる:
- インドネシアの人は、ユーモアを好みます。
- 面白い動画や画像、キャッチコピーなどを活用することで、ユーザーの心を掴み、ユーザー間での交流やバズ現象を生むきっかけとなります。
3. インドネシア市場で人気のプロモーション施策:購買意欲を高める!
インドネシアのユーザーは、 お得感 や 限定感 に弱い傾向があります。



割引キャンペーンや限定商品などを、SNSで効果的に宣伝することで、購買意欲を高められます。
効果的なプロモーション施策
- 割引キャンペーン:
- フォロワー限定割引や、期間限定割引など、お得感を演出するキャンペーンが効果的です。
- こちらの項目は、前述の影響力の高いコンテンツの”割引”に該当します。
- プレゼントキャンペーン:
- 商品をプレゼントするキャンペーンは、多くのユーザーの関心を集められます。
- 商品をプレゼントする際にレビュー投稿やレビュー動画を必須とすることで、前述の影響力の高い”正直なレビュー”のコンテンツとして活用することができます。
- インフルエンサーマーケティング:
- インドネシアで人気のインフルエンサーに商品をPRしてもらうことで、より多くのユーザーにリーチできます。
- インフルエンサーの自宅に商品を送付して、気に入ってもらえれば、運良くストーリーなどでシェアしてもらうような方法もあります。
- こちらの項目は、前述の影響力の高いコンテンツの”クリエイターによるレコメンド”に該当します。
4. インドネシアでの成功事例に学ぶ:先駆者たちの戦略を参考に!
実際に、インドネシア市場で成功している企業の事例を参考に、自社のSNS戦略に活かしましょう。
成功事例: Wardah (化粧品・コスメブランド)


自分ごと化しやすいリアルなコンテンツで”商品情報・メリット”を分かりやすく訴求
⽣活者⽬線で商品の使い⽅や機能などを伝えるコ ンテンツは、実際の利⽤シーンをイメージしやす くし、商品の魅⼒を体現できるようになります。クリエイターが⾃分と似たような背景・特性を共有している場合(年齢層や属性、⽣活様式、外⾒的な特徴など)、消費者は⾃分ごと化でき、商品のニーズを確信しやすくなります。
“商品情報・メリット“×”クリエイターコラボ”投稿例: 『結婚式の厚化粧を落とす』
通常の他の動画が50万回再生以下に対して、下記の動画は270万回再生されています。
ポイント
- インドネシア人の女性の多くが経験している結婚式等での厚化粧というメイク落としにおいては極端な事例を用いて、効果をよりわかりやすく伝えている
- 動画のはじめに”100万円の化粧を落とす”というタイトルを使用して、具体的な数字とユーザーに100万円のメイクって何?という興味をうまく惹きつけている
- 顔の半分を使って、メイク落としのビフォーアフターを用いて、商品のメリットを分かりやすく伝えている。
- インドネシアのメイクアップアーティストの4万人フォロワーのマイクロインフルエンサーを活用
“優れたビジュアル”を用いた投稿例: 『3D広告を模したショート動画』
こちらも、通常の他の動画が50万回再生以下に対して、下記の動画は250万回再生されています。
Watch on TikTok
流行りの街角の3D広告の形式を模したショート動画により、”優れたビジュアル”をコンテンツとしている例
“割引”×”商品情報“を扱ったコンテンツ
ポイント
- “割引”を意味する”diskon”というキーワードを常時クリエイターの顔面上に表示して、目に入りやすくしている
- リップスティックの商品紹介として気になりやすいカラーラインナップごとに実際に塗った様子を紹介
成功事例: Gojek (ライドシェア・その他)


“割引”×”優れたビジュアル”を用いたコンテンツ
ポイント
- “割引”を意味する”diskon”というキーワードをサムネイルに大きく表示
- 大衆受けしやすい”食”に関するクオリティの高い動画をかけ合わせている
“ユーモア”×”商品情報・メリット”を利用したコンテンツ
Gojekのtiktokアカウントは通常の投稿だと1万回再生以下のコンテンツも少なくない中でこちらのコンテンツは400万回再生されている。
Watch on TikTok
ポイント
- 典型的なお母さんキャラのモデルを使用して自分ごと化
- 言葉違い(UnboxingとBoxing)から始まるユーモアを表現しつつ、理解レベルが低いキャラにも丁寧に分かるように商品情報(サービス情報)を紹介させている
“ユーモア”×”割引コード”を用いたコンテンツ
ポイント
- インドネシアあるあるのユーモアのあるコンテンツで最後まで興味を引く
- 最後にアプリで入力できる”割引コード”の情報を紹介
- サムネイルに”お得に”というワードで興味を引く
- Gojek (ゴジェック):
- インドネシア発の配車サービス大手Gojekは、SNSを効果的に活用することで、急速にユーザーを獲得しました。
- ユーモアを交えた動画広告や、ユーザー参加型のキャンペーンなど、様々な施策を展開しています。
- Tokopedia (トコペディア):
- インドネシア最大のECサイトTokopediaは、インフルエンサーマーケティングや、ライブコマースなどを積極的に活用し、売上を拡大しています。
5. 今すぐ始められるインドネシアSNS戦略の立て方:実践的なステップ!
それでは、実際に、インドネシア市場向けのSNS戦略を立てるための、具体的なステップを見ていきましょう。
- まず、SNSマーケティングを通して、何を達成したいのかを明確にしましょう。
- ブランド認知度の向上、売上増加、顧客とのエンゲージメント強化など、具体的な目標を設定することで、戦略が立てやすくなります。
- 自社のターゲット顧客は、誰なのか?
- どのSNSを利用しているのか?
- どんな情報に関心を持っているのか?
- これらを分析することで、効果的なコンテンツや、最適なプラットフォームを選定できます。
- ターゲット顧客の分析結果に基づいて、最適なSNSプラットフォームを選定しましょう。
- 複数のプラットフォームを併用するのも有効ですが、重要度・優先度、各プラットフォームの役割・目的を明確にしておきましょう。
- どんなコンテンツを、どのくらいの頻度で配信するのかを計画しましょう。
- コンテンツカレンダーを作成することで、計画的にコンテンツを制作・配信できます。
- 定期的に、SNSマーケティングの効果を測定し、改善点を見つけ出すことが重要です。
- フォロワー数、リーチ数、エンゲージメント率、コンバージョン率などの指標を分析しましょう。
6. インドネシア市場でSNSを活用して売上アップ!
インドネシア市場は、SNSマーケティングの可能性が非常に高い市場です。
この記事でご紹介したポイントを参考に、効果的なSNSコンテンツ戦略を立て、実践することで、インドネシア市場での成功に大きく近づけるはずです!
ぜひ、積極的にSNSを活用し、売上アップを目指しましょう!
SNSマーケティングの基本を知るための参考書籍
1. 美しく「バズる」技術


ただバズるだけでは意味がない!目的を達成するためのWebマーケティング
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- コンテンツの構成の作り方が分かる
2. 元・手取り18万円の貧乏教員が起業1年で月商3.6億円を達成したSNSマーケティング術


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この本のおすすめポイント
- Youtubeのアルゴリズム解説
- SNSを活用したセールスファネル、マーケティングフローが分かる
- 実際のコンテンツ作成の生きたノウハウ・テクニックが分かる


最後に



最後まで読んでいただきありがとうございました!



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参考文献・記事
参考文献・記事
- TikTok Shoppertainment: The New Era of Indonesia’s E-commerce Industry: インドネシアにおけるTikTokのショッパーテイメントについて解説したレポートです。(英語/日本語あり)
- Indonesia Gen Z Report 2024: インドネシアのZ世代に関する調査レポートです。(英語)
- Indonesia Millennial Report 2024: インドネシアのミレニアル世代に関する調査レポートです。(英語)
- Digital 2024: Indonesia: インドネシアのデジタル市場に関する最新データがまとめられています。(英語)