がんに効果あり?南国フルーツ『シルサック(Sirsak)』とは?|食べ方・栄養価

南国フルーツ『シルサック(Sirsak)』とは?|食べ方・栄養価
ジョグジャ先生

今回はインドネシアで食べることのできる南国フルーツの一つSirsakについて紹介いたします。グアナバナ、サワーソップ、グラビオラとも呼ばれるシルサックですが、とても栄養価の高いフルーツとして知られています。

私もSirsakは、インドネシアに来て5年目にして初めて食べました!

というのも、旬の時期というか、売り出される時期が非常に短くて、スーパーなどでは、まず目にすることがなく、道端の行商さんなどが売っていることが多いので、なかなか手に入りづらい果物の一つではないかと思います

目次

シルサック(Sirsak)について

シルサック(Sirsak)は、インドネシア原産のフルーツの一つで、日本ではグラビオラとして知られています。熱帯地域に生息するこの果実は、独特の風味と酸味が特徴で、濃厚なクリーミーなテクスチャーを持ち、ジュースやスムージーなどにも利用されます。

【有名なインドネシア国内の産地】
有名なインドネシア国内の産地としては、ジャワ島、バリ島、スマトラ島などがあります。また、シルサックの木は比較的育成が容易で、自宅で栽培することもできます。

【価格の相場】
1kgあたりの価格の相場は、インドネシア国内では、生の果実が10,000ルピアから20,000ルピア程度で取引されています。日本では、新鮮なシルサックを入手することが困難で、缶詰やジュースとしてスーパーマーケットなどで購入することが一般的です。また、近年では、健康食品としての需要も高まっており、サプリメントとしても販売されています。

【味や香りの特徴】
シルサックの味の特徴は、濃厚でクリーミーなテクスチャーと、酸味があり、他の果実とは異なる風味があります。

シルサックの食べ方

シルサックジュース

シルサックの食べ方で、レストランなどで一番よく見かけるのが『シルサックジュース』です。

さっぱりしているのにどこか濃厚な甘みというかクリーミーさがあるというか、一度飲んだら病みつき間違いなしのジュースです!

シルサック(グラビオラ)に関する論文データから、癌における新たな治療の可能性について以下のようにまとめられます。

癌におけるシルサック(グラビオラ)の治療可能性

1. 抗がん剤の役割:

    • グラビオラの果実、葉、根、皮のエキスには、多くのフィトケミカルの成分が含まれており、これらが癌細胞に対する効果を示唆しています。特に、抗酸化物質やアセトゲニンなどの成分が、癌細胞の増殖を阻害することが確認されています[1]

    2. 特定の癌種への効果:

      • 胃腸癌(CRC):
        • グラビオラのエキスは、癌細胞の増殖を阻害し、細胞死を誘発することが示されています。具体的には、EGFRを過剰発現するBC(乳癌)細胞の増殖を有意に阻害することが確認されています[1]
      • 膵臓癌(PC):
        • グラビオラの葉のエキスは、膵臓癌細胞の増殖を阻害し、細胞周期の停滞を誘発することが報告されています。また、MUC4の下調節により、細胞の動性と浸潤を抑制する効果も示されています[1]
      • 肺癌(HNC):
        • グラビオラの葉のエキスは、肺癌細胞の増殖を阻害し、細胞周期の停滞を誘発することが報告されています。具体的には、NF-κBシグナル伝達経路の抑制、ROSの生成、Bax/Bcl-2比率の増加などが示されています[1]
      • 前立腺癌(PCa):
        • グラビオラの果肉エキスは、前立腺癌細胞の増殖を阻害し、細胞死を誘発することが報告されています。特に、低濃度(≥1 μg/ml)での抗増殖活性が示されています[1]

      3. メタボリックターゲット:

        • グラビオラのエキスは、癌細胞の代謝を標的とすることで、細胞のエネルギー生成を妨害する効果を示唆しています。具体的には、グルコース輸送を抑制し、ATP生成を制限することで、癌細胞の増殖を阻害することが報告されています[1]

        4. 安全性と有効性:

          • グラビオラのエキスは、長年の歴史的な使用実績があり、多くのフィトケミカルの成分が健康な細胞に損傷を与えずに癌細胞を破壊する可能性があります。ただし、適切な安全性試験が必要であり、炎症に関与する疾患に対する効果を評価することが重要です[1]

          シルサック(グラビオラ)の成分ががん細胞に与えるメカニズムの概要

          シルサック(グラビオラ)の成分ががん細胞に与えるメカニズムの概要図
          シルサック(グラビオラ)の成分ががん細胞に与えるメカニズムの概要図

          1. アセトゲニンの役割:

            • シルサックの成分として特に注目されるのは、アセトゲニン(Annonaceous Acetogenins, ACGs)です。これらの化合物は、多くのフィトケミカルの成分が含まれており、がん細胞に対する効果を示唆しています[1]

            2. 細胞周期の停滞と細胞死:

              • シルサックのエキスは、がん細胞の細胞周期を停滞させることで、細胞死を誘発することが示されています。具体的には、EGFRを過剰発現するBC(乳癌)細胞の増殖を有意に阻害することが確認されています[1]

              3. MUC4の下調節:

                • シルサックのエキスは、MUC4を下調節することで、がん細胞の動性と浸潤を抑制する効果を示唆しています。MUC4は、多くのがん細胞において、細胞の動性と浸潤を促進する役割を果たします[1]

                4. 代謝の制御:

                  • シルサックのエキスは、がん細胞の代謝を制御することで、細胞のエネルギー生成を妨害する効果を示唆しています。具体的には、グルコース輸送を抑制し、ATP生成を制限することで、がん細胞の増殖を阻害することが報告されています[1]

                  5. ROSの生成と細胞死:

                    • シルサックのエキスは、ROS(反応性酸素種)の生成を誘発し、細胞膜の潜在的な損傷を引き起こします。これにより、細胞死を誘発することが示されています[1]

                    6. NF-κBシグナル伝達経路の抑制:

                      • シルサックのエキスは、NF-κBシグナル伝達経路を抑制することで、がん細胞の増殖を阻害する効果を示唆しています。NF-κBは、多くのがん細胞において、細胞の増殖と抵抗性を促進する役割を果たします[1]

                      シルサック(グラビオラ)の成分ががん細胞に与えるメカニズムは、多くのフィトケミカルの成分が含まれており、細胞周期の停滞、細胞死、代謝の制御、ROSの生成、NF-κBシグナル伝達経路の抑制など、複数の経路を通じてがん細胞に対する効果を示唆しています。具体的なデータや研究結果を確認するために、関連する科学論文や研究結果を参照することが推奨されます。

                      結論: 癌におけるシルサック(グラビオラ)の治療可能性

                      シルサック(グラビオラ)の癌治療における新たな治療の可能性は、多くのフィトケミカルの成分が癌細胞に対する効果を示唆しています。特に、膵臓癌、肺癌、前立腺癌に対する抗増殖活性が報告されており、癌細胞の代謝を標的とすることで、癌治療の新たな可能性を示唆しています。ただし、適切な安全性試験が必要であり、炎症に関与する疾患に対する効果を評価することが重要です。

                      参考研究論文
                      [1] 『癌におけるグラビオラとその成分の新たな治療可能性(Emerging therapeutic potential of graviola and its
                      constituents in cancers)』

                      シルサックの栄養価

                      栄養素
                      水分81.7 グラム
                      エネルギー65 キロカロリー
                      タンパク質1 グラム
                      脂質0.3 グラム
                      炭水化物16.3 グラム
                      食物繊維3.2 グラム
                      リン27 ミリグラム
                      カルシウム14 ミリグラム
                      カリウム298.9 ミリグラム
                      ビタミンC20 ミリグラム
                      シルサック100gあたりの栄養価
                      シルサック

                      抗炎症作用

                      『Journal of Human Hypertension』の研究によると、この果物のエキスには抗炎症作用があります。研究者は、この特性が炎症を軽減し、関節炎、高血圧、および高尿酸などの状態に起因する健康障害を予防するのに効果的であると信じています。

                      がん細胞の成長を抑制

                      Sirsakフルーツには、抗がん物質を含むさまざまな化合物が含まれています。

                      いくつかの研究によれば、Sirsakの果実や葉のエキスは、口内、腎臓、肝臓、大腸、前立腺、および乳房など、がん細胞の形成を防ぐことができます。

                      免疫機能の向上

                      シルサックは、抗酸化物質とビタミンCが豊富で、体内の感染源となるフリーラジカルを効果的に防ぐことができます。さらに、これらの栄養素は、高血圧や糖尿病などのさまざまな慢性的な健康問題の発生リスクを減らすのに役立ちます。

                      フリーラジカルとは?

                      すべての物質は分子から成り立っていますが、その分子は原子核と電子からなる原子の組み合わせによって構成されています。通常、分子の中の電子は2つが対をなして安定して存在していますが、その電子が対をなさず、ひとつだけ離れて存在することがあります。このような対をなしていない電子(不対電子)を持つ原子や分子をフリーラジカルと呼びます(単にラジカルとも呼ばれる場合もあります)。

                      活性酸素と混同されてしまうことがありますが、活性酸素の中には不対電子を持つものと持たないものがあります。
                      スーパーオキシドやヒドロキシラジカルはフリーラジカルですが、一重項酸素や過酸化水素はフリーラジカルではありません。ラジカル(過激な)という言葉通り、電子が足りないために不安定で、反応しやすいという性質をもちます

                      引用元: フリーラジカル https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-040.html

                      感染の予防

                      研究によると、シルサックのエキスはウイルス、寄生虫、および細菌を効果的に殺すことができます。さらに、この果物の他の栄養素のサポートにより、体内の免疫力が向上し、感染後の回復が加速します。

                      消化機能の改善・便秘の予防と改善

                      実際、シルサックには高濃度の水分と食物繊維が含まれているため、体内の消化システムと消化管の健康を維持するのに非常に役立ちます。

                      毎日果物を摂取することは、便秘の予防と対処に役立ちます。

                      シルサックの旬な時期

                      基本的には、インドネシアにおいてはシルサックは比較的1年中見ることのできる果物のひとつです。

                      特に雨季の終わりから乾季の始まりにかけて、5月,6月に市場で見かけることの多いフルーツです。

                      最後に

                      最後まで読んでいただきありがとうございます。シルサックの紹介はいかがでしたでしょうか?

                      ジョグジャ先生

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                      参考文献・記事

                      南国フルーツ『シルサック(Sirsak)』とは?|食べ方・栄養価

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