せっかくインドネシアに住むことになって……
何かインドネシアを感じられるものをもっと楽しみたいなー……
今回はそんなあなたにぴったりなインドネシアをもっと楽しめる小説!
そして、小説の世界を実際に現地で体験できる!
そんなインドネシアの楽しみ方を紹介します。
本記事でインドネシア関連小説の投稿も4本目になります。
インドネシアの小説が気になる方・お探しの方は、ぜひ以下の記事も参考にされてください。
小説『珈琲の哲学』とは?
感想・レビュー
この小説は、とあるカフェを舞台にした物語。
そのカフェでは、いっぱいのコーヒーとともに、メッセージカードを添えて、コーヒーを提供する。
スターバックスなどでは、コップにメッセージを書いてくれることは、多くの人が知っていると思う。
おそらく、スターバックスのそのような接客から着想を得て、著者のディー・レスタリさんは、珈琲哲学というカフェのコンセプトを思いついたのではないかと思う。
そして、ある日、一人のお客さんから、”この人生は完璧だ” と思えるようなコーヒーを作ってくれという依頼を受ける。
しかも、驚きなのは、もし本当に完璧なコーヒーだと思えたら賞金として、50万円を用意する、と言ったのである。
ここからが物語を面白くするポイント。
果たして、”完璧な”コーヒーを作ることができるのか?
そして、はたまた”完璧”とは何だろうか?
この小説が面白いのは、コーヒーと人生を照らしあわせるような描写、あるいは情景が浮かぶところ。
つまり、先程の疑問“完璧な” “人生”とは何だろうか?
コーヒーをテーマにした小説は、読むにつれて、読者をいつの間にか、”完璧な人生とは何だろうか?”という大きな命題のストーリーにいざなう。
続きはぜひ小説を読んでいただきたい。
珈琲の哲学の短編小説自体は40ページほどなので、普段あまり読書をしない方でも気軽に読むことができると思う。
小説をコンセプトにした世界
実は、この小説、映画化されるほどの人気を呼びました。
そこから、いまではこの小説をコンセプトにしたカフェがあったり、商品が販売されていたりします。
ロゴもおしゃれでかわいいですよね?
おそらく最も有名なコンセプトカフェは、ジャカルタのブロックMのエリア内にあります。
インドネシア国内に全部で9店舗、展開しているようです。
ちなみにジョグジャカルタにもコンセプトカフェがあります。
ここで買ったのが小説の中にも出てくる”Perfecto”(完璧)という名前のコーヒー。
こちらの商品はECサイトのTokopediaでも販売されています。
ぜひ見てみてください。
読者の声
シュールなベストセラー作家
この短編集は、フランス小説のようなシュールな話が詰まっている。翻訳がとても自然なので、すっと読めるが、内容は濃い。登場人物は個性的な人ばかり。心の内面を表現する作者の表現力は豊かで、現実のようなファンタジーの世界へと誘ってくれる。
個人的には表題作「珈琲の哲学」よりも「ヘルマンを探して」「一切れのパウンドケーキ」がよかった。
こういう小説を味わうには、澄んだ心がなければならないような気がする。幽霊や迷信を信じやすいインドネシアの人々。私もインドネシアに住んで1年、ようやく、こういうシュールな小説を味わう、澄んだ心のインドネシア人たちの心の中がわかってきたような気がする。
物語へ引き込む表現力の素晴らしさ
恋愛における人の心の憂いや葛藤が、さまざまなストーリーや人物で描かれた短編集です。
何気ない日常を切り取ったような場面が物語になって共感しやすいうえ、情景と心理の細やかな描写と表現力にぐいぐいと引き込まれていきます。また間に挟まれる短い散文は歌の歌詞のようで、一つの物語を読み終えたあとふと心に入ってきます。原書は読んでいませんが、作者の表現力だけでなく、翻訳者の丁寧な言葉選びによってこの本が完成している、と感じます。
特に印象的だったものを。
「ヘルマンを探して」はミステリー小説のよう。スピード感のある展開と結末から冒頭へのつながりに唸らされます。
切ない恋を描いた「チョロのリコ」は、描写に圧倒されながらも続きが気になり最後まで読み切りました。ラブストーリーでもあり、人によってはホラーでもあり、でもそんな情景がコメディにも映ります。ちょっと日本では見られない類かもしれません(笑)ぜひ読んで実感していただきたいです。
楽しめるし参考になる
詩と短編集があり、詩の方は心の在り方について私的に参考になる部分がいくつもありました。
繊細さと大胆さを感じられる表現があり、作者と翻訳家の方の力を感じられ、とても好きな本です。
短編集の方は友情、恋など、読んでいて心を動かされる気持ちのいい本なので、色々な方に読んでほしいなという思いになりました。
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ちなみに、この”珈琲の哲学”は、著者ディー・レスタリさんの短編集ですので、詩のように短いものから、短編小説まで、約40ほどの物語が掲載されています。
そして、もちろんインドネシア語の小説もありますので、インドネシア語を勉強したいかた、インドネシア語に自信のあるかたは、ぜひトライしてみてください。
日本語版とインドネシア語版の原著を読み比べてみると特に面白いです。
誌のような素敵な表現が多いので、翻訳もとても大変だと思うのですが、面白く・上手く・素敵な形で翻訳・意訳されています。
\ インドネシア語版を見てみる! /
改めて、最後まで読んでいただきありがとうございました。
他にもインドネシア関連の小説を紹介しておりますので、ぜひ参考にされてください。