小説『珈琲の哲学』ディー・レスタリ | インドネシア小説レビュー

インドネシア小説 珈琲の哲学 レビュー

せっかくインドネシアに住むことになって……
何かインドネシアを感じられるものをもっと楽しみたいなー……

ジョグジャ先生

今回はそんなあなたにぴったりなインドネシアをもっと楽しめる小説!
そして、小説の世界を実際に現地で体験できる!
そんなインドネシアの楽しみ方を紹介します。

本記事でインドネシア関連小説の投稿も4本目になります。
インドネシアの小説が気になる方・お探しの方は、ぜひ以下の記事も参考にされてください。

目次

小説『珈琲の哲学』とは?

インドネシア小説 珈琲の哲学

インドネシア現代文学を代表する女性作家ディー・レスタリの短編集、本邦初の全訳!
表題作「珈琲の哲学」をはじめ、さまざまな形の愛を追い求める人たちの
痛みと迷いと癒しを鮮やかに描き出す珠玉の18篇を収録。

インドネシア現代文学を代表する女性作家
ディー・レスタリ(Dee Lestari)の短編集、
Filosofi Kopi: Kumpulan Cerita dan Prosa Satu Dekade(2006年)
の全訳書です。

『珈琲の哲学』は、2006年に出版された彼女の最初の短編集で、
収録18篇の多くは、不倫や同性愛、友人への恋愛感情など、
さまざまな境遇の恋愛における葛藤やすれ違いをめぐりプロットが展開します。

その中で、表題作の「珈琲の哲学」(1996年作)は、コーヒーショップを経営する
男2人の友情の物語であるという点で異色の存在です。

本作は2015年にインドネシアで映画化され大ヒットを記録、日本でも公開されました。

Amazon 珈琲の哲学 ディー・レスタリ短編集 1995-2005 (インドネシア現代文学選集)

感想・レビュー

この小説は、とあるカフェを舞台にした物語。

そのカフェでは、いっぱいのコーヒーとともに、メッセージカードを添えて、コーヒーを提供する。

スターバックスなどでは、コップにメッセージを書いてくれることは、多くの人が知っていると思う。

おそらく、スターバックスのそのような接客から着想を得て、著者のディー・レスタリさんは、珈琲哲学というカフェのコンセプトを思いついたのではないかと思う。

そして、ある日、一人のお客さんから、”この人生は完璧だ” と思えるようなコーヒーを作ってくれという依頼を受ける。

しかも、驚きなのは、もし本当に完璧なコーヒーだと思えたら賞金として、50万円を用意する、と言ったのである。

ここからが物語を面白くするポイント。

果たして、”完璧な”コーヒーを作ることができるのか?

そして、はたまた”完璧”とは何だろうか?

この小説が面白いのは、コーヒーと人生を照らしあわせるような描写、あるいは情景が浮かぶところ。

つまり、先程の疑問“完璧な” “人生”とは何だろうか?

コーヒーをテーマにした小説は、読むにつれて、読者をいつの間にか、”完璧な人生とは何だろうか?”という大きな命題のストーリーにいざなう。

続きはぜひ小説を読んでいただきたい。

珈琲の哲学の短編小説自体は40ページほどなので、普段あまり読書をしない方でも気軽に読むことができると思う。

小説をコンセプトにした世界

実は、この小説、映画化されるほどの人気を呼びました。

そこから、いまではこの小説をコンセプトにしたカフェがあったり、商品が販売されていたりします。

ロゴもおしゃれでかわいいですよね?

おそらく最も有名なコンセプトカフェは、ジャカルタのブロックMのエリア内にあります。

インドネシア小説 珈琲の哲学 レビュー

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